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» 2008年06月11日 00時00分 公開

障害復旧の“指令塔”、HP「ミッションクリティカルセンター」とは復旧専任マネージャーが緊急チームを結成して対応

[垣内郁栄,@IT]

 東京都八王子市、京王八王子駅のすぐ隣に日本ヒューレット・パッカード(HP)の八王子事業所がある。入退場管理が厳しいことをのぞけば、普通のオフィスビルだ。だがこの八王子事業所には顧客の重要システムを監視し、障害発生時にはリモートでサポートを行って復旧させる「ミッションクリティカル・サポートセンター」(MCSC)がある。八王子事業所は障害発生時の“指令塔”なのだ。

 MCSCでは八王子事業所の9Fで顧客システムの監視を行っている。HPのサーバに組み込まれた通知機能を使い、システム障害の予兆がMCSCに伝えられる。通知を受けたMCSCはエンジニアを派遣したり、リモートアクセスツールで顧客システムにログインして、事前に修復する。MCSCにはコールセンターもあり、電話で障害発生の連絡を受け、リモートで復旧させることもある。ミッションクリティカルなシステムのサポートを担当する選任エンジニアが24時間待機し、障害発生に備える。

ミッションクリティカル・サポートセンターが入るHPの八王子事業所

 大規模な障害が発生した際には緊急対応の専任チームが立ち上がる。1人の専任エンジニアでは対応しきれない重大な障害が発生した場合、MCSCに属する復旧専任マネージャーが、MCSCやHPのほかの部署から必要な人員を集めて、緊急サポートチームを結成。緊急サポートチームは、八王子事業所の4Fにある「ミッションクリティカル・ルーム」を拠点に情報共有やリモートでのサポート、現場へのダイレクトの指示を行って早期の復旧を目指す。

ミッションクリティカル・ルームは3部屋ある。中央のスクリーンに必要な情報を映し出し、情報を共有する。ロンドン、シンガポール、東京、パロアルト、ヒューストン、アトランタの時間を表示している

 緊急サポートチームでは顧客システムの構成やサーバの部品情報を格納したデータベース「COP」を利用して、ハードウェア障害を修復するための部品の調達や現場のエンジニアへの指示を行う。緊急サポートチームが結成されるのは週に1回程度。障害によっては対応が数日に及ぶこともあるという。「MCSCは必要な人や資材を集めるコントロールルームだ」(HP)。

 八王子事業所では100人以上がMCSCに関わっていて、HP全体では500人以上が関係しているという。日本オラクルやシスコシステムズ、マイクロソフト、SAPジャパンなどとも連携し、ハードウェア障害だけでなく、アプリケーションが関係する障害にも対応できるようにしている。

半円形のテーブルがあるミッションクリティカル・ルーム。各PCからリモートで顧客のシステムにアクセスできるようになっている。入退場管理が厳しく、ミッションクリティカル・ルームに入室できる人はHPでも限られる

 MCSCのサポートを受けることができるのは、HPのサポートサービスの中でも最上位に属する「ミッションクリティカル・サポート」を契約しているユーザーだ。

 HPがMCSCを始めたのは約16年前。当初はテレコム企業の利用が多かったが、オープンシステムの採用拡大で受けて5年前からは金融業での利用が増えた。さらに現在は製造業、流通業での使われるケースも多いという。ミッションクリティカル・サポートの売り上げはこの4年で4倍以上に拡大。HPのサポートサービスの3分の1を占めるまで成長したという。

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