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» 2008年07月04日 00時00分 公開

PaaSを利用することで開発期間を2年間短縮できた〜英CODAsalesforce.com上で会計ソフトの提供を始めたCODA聞いた

[大津心,@IT]

 「force.comのプラットフォームを利用することで、開発期間を2年間分は短縮できた。これは変化の激しい現在のビジネスシーンにおいて、最も重要なことだ」と語るのは、最近force.com上で会計ソフト「CODA 2go」の提供を始めた英CODA社のCEO ジェレミー・ロシュ(Jeremy Rosh)氏だ。ロシュ氏に、force.comで会計ソフトの提供を始めた背景などについて聞いた。

 英CODA社は1979年の設立後、約30年間にわたって会計ソフトウェアを提供してきたソフトウェアベンダ。現在は従業員数600人で、世界14カ国2700社の顧客を持つ。そんな同社は、2007年11月に従来のパッケージソフトという提供形態に加え、新たにSaaS形式でソフトウェアを提供することを決断。その際に、「自分で一からSaaSを構築する方法」と「PaaSを利用して開発する方法」の2種類の方法を検討したという。

ロシュ氏写真 英CODA CEO ジェレミー・ロシュ氏

 その結果、同社はセールスフォース・ドットコムが提供するプラットフォームサービス「force.com」を利用して開発することに決定し、現在に至っている。この点についてロシュ氏は、「force.comを利用することで、ワークフロー機能などforce.comがすでに搭載している基本機能部分の開発をしないで済んだ点が大きい。また、Apexコードやvisualforceなど開発環境も充実している。従って、当社はすでに持っている会計ソフトの機能と、force.comをつなぎ合わせる部分の作り込みなどをするだけでよかったので工期を大幅に削減することができた」と説明した。

 実際、今回の開発は、同社のJavaや.NETのプログラマに対してApexコードなどの研修を2週間程度受けさせて実施。メインのプログラマ8人が6カ月間従事したほか、4人程度のデザイナーが参加して開発したことから、おおよそ60人月程度で完成したという。

 CODAが新たに提供するSaaS型会計ソフト「CODA 2go」では、請求書処理や会計作業などをsalesforce.comのデータと連携して実現。複数通貨や多言語に対応しているほか、force.comのワークフロー機能を利用して、経費の承認プロセスなども実装している。「まだまだ提供し始めたばかりなので、今後も機能をどんどん拡充させていく。将来的には、salesforce.com側のセールスオーダー処理の連携やフルレポート機能までを提供していきたい」とコメント。日本版SOX法や工事進行基準など、昨今日本で改訂が進んでいる会計基準への対応については、「日本の会計基準が、世界標準へ向かって年々改革されていっている点は十分認識している。言語対応も含めて、ローカライズ作業にも力を入れていく。パッケージ版では、日本企業のユーザーもいるので、その企業などからニーズを吸い上げたい」と説明した。

 SaaS形式で会計ソフトを提供するメリットについて、ロシュ氏は「パッケージ版の会計ソフトは値段の関係もあり、多国籍企業や大企業などが中心となっていた。しかし、SaaS形式はオンデマンドで提供するため、パッケージ版よりも中小企業を狙うことができる」と説明。一方で、パッケージ版とSaaS形式で競合する可能性については、「社内的に競合する分にはまったく問題ない。データをファイアウォールの外側に出すことを嫌がる企業もいるので、そのような企業は従来のパッケージソフトを利用し、イニシャルコストを下げたり、マッシュアップしたい企業はSaaS形式を必然と選ぶことになっていくだろう」とコメントした。

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