米ログロジック(LogLogic)は7月14日、日本法人のLogLogic Japanを設立したと発表した。同社はログ管理アプライアンスを開発、販売していて、日本版SOX法の適用が始まった日本市場に商機があると判断した。 PCI DSS (Payment Card Industry Data Security Standard)対応への日本企業の注目も集まりつつあるといい、ログ管理の需要が拡大することにも期待している。
日本法人のカントリーマネージャには池田克彦氏が就任した。販売パートナーはネットワークバリューコンポネンツ、兼松エレクトロニクスの2社と契約した。
LogLogicが提供するのはログのライフサイクル管理ソリューション。「企業のエンタープライズ・データの30%はログ」(LogLogic CEOのパトリシア・スエルツ氏)ともいい、LogLogic製品を使うことで、「企業が蓄積するログを社内のあらゆる層の人が理解できるようになる」ことを実現する。
LogLogic製品では、主要なアプリケーション、データベース、サーバ、ネットワークからログを取得する「コレクト」と、事前に設定したルールに基づき、管理者に警告する「アラート」、テンプレートに沿ってログを見やすく整理する「レポート」、規制に基づきログデータを保管する「ストア」、「Googleライクな検索」(池田氏)を実現するログの「サーチ」、標準で提供するWebAPIによるほかのアプリケーションとの連携で可能になる「共有」という6つのフェイズでログのライフサイクル管理を実現する。
具体的には2つのアプライアンス製品でログのライフサイクル管理を実現する。「コレクト」「アラート」「レポート」を行うのは「LX」シリーズ。主要なアプリケーションやサーバから1秒間に500〜4000件のログを取得する機能があり、収集したログを構造解析する。解析機能は日本語にも対応するという。
COBITやITIL、PCIなど主要な運用規則に対応する500以上のアラートと、24種のレポートテンプレートを備えていて、企業の業務に合わせて最大で1万5000種のレポートを出力できる。また、Web APIを用意し、標準のレポートやダッシュボードのほかに、独自開発のアプリケーションや運用管理ツールにログの解析結果を組み込めるようにした。
ライフサイクルの「ストア」「サーチ」「共有」を担当するのが「ST」シリーズ。長期保管、検索機能があり、1秒間に3000〜7万5000件のログ処理能力がある。ストレージを内部に持ち、最大で34TBの生ログを保存できる「ST3010」と、外部NASと接続できる「ST2010」がある。データのハッシュ値を取得することでデータが改ざんされた場合に判別できるようにする機能も実装する。
価格はLXシリーズが270万円(税別)から、STシリーズが972万円から。LXシリーズは性能や内蔵ストレージの容量によって3モデルある。 LogLogic Japanは初年度に50システムの販売を見込んでいる。また、同社は東京品川区に「LogLogic Japan サポートラボ」を設立し、日本語ログ対応の検証や顧客、パートナーへのサポートサービスを提供する。
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