インフォア、プロセス型製造業向けSCMソリューションを発売無駄のない多品種小ロット生産を実現

» 2008年07月24日 00時00分 公開
[内野宏信,@IT]

 日本インフォア・グローバル・ソリューションズは7月24日、プロセス型製造業向けSCMソリューション「Infor SCM Demand Planning」「Infor SCM Advanced Scheduler」「Infor SCM Advanced Planner」の3製品を発表した。8月1日から発売を開始する。食品・飲料メーカーなど、複雑な製造工程を持つプロセス型製造業における需要計画、SCM計画、生産スケジューリングをサポートし、在庫圧縮、利益率向上に貢献するという。

 「Infor SCM Demand Planning」は、過去の売上履歴をもとに顧客ニーズを分析し、チャネル・製品別の需要計画や、ディストリビューションセンター(DC)別の在庫計画、各DCへの補充計画の立案を支援する。「Infor SCM Advanced Scheduler」は、「Infor SCM Demand Planning」で導き出した需要・在庫・補充計画を元に、工場における生産計画立案をサポート。さらに「Infor SCM Advanced Planner」が、生産計画から販売会社への補充計画まで、サプライチェーン全体の計画を管理・最適化できるよう支援する。

 ERPやEAM(設備資産管理)など、同社の既存ソリューションを補完する製品群としてリリースし、それらとデータ連携することで、より確実な顧客ニーズ予測と需給調整を実現するという。SAP、オラクルといった他社製品との連携も可能だ。

写真 生産、補充、在庫計画の策定をサポート

 同社インダストリーソリューション・ビジネスコンサルティング本部 執行役員 本部長の笹俊文氏は、「プロセス型製造業は、変動する顧客ニーズに応じて、1つの製品からさまざまなバリエーション製品を作るなど、多品種小ロット生産に対応しなければならない。需要予測や生産計画が不正確だと、ニーズの変動に追従できず、過剰在庫に陥るリスクがある」と指摘した。

 一方で、原材料費の高騰、食品の賞味・消費期限の問題、環境保護のための物流効率化といったタイムリーな課題にも触れ、「今回の3製品なら正確かつ無駄のない需要・生産計画を実現できる。さまざまな課題への対応はもちろん、在庫圧縮、利益率向上に大きく貢献する」とアピールした。

写真 インダストリーソリューション・ビジネスコンサルティング本部 執行役員 本部長の笹俊文氏

 「多品種小ロット生産は、工場設備の効率的な運用がポイント」であることを受け、これに対応した複数の機能があることも紹介した。例えば「Infor SCM Advanced Scheduler」は、タンク・サイロ別の稼働スケジューリング機能を搭載。単一の製造ラインで複数製品を作っている場合、製造品を変えるたびにラインを設定変更する「段取り替え」という作業が発生するが、この作業を無駄なく行えるよう計画する「段取り替え最適化」機能も装備した。

写真 「Infor SCM Advanced Scheduler」の管理画面。画面を上段、下段に分けて、各種スケジュールと労働力の関係を視覚的に表すなど、使いやすいUIを備えている

 一方、「Infor SCM Advanced Planner」は、原材料の供給可能性、賞味期限制約に応じたSCM計画の最適化など、従来はシステム化が難しく、手作業やExcelで行っていたプランニングも実行できる」(インダストリーソリューション・ビジネスコンサルティング本部 ビジネスコンサルティング・マネージャー 酒井ひろみ氏)ほか、管理画面や計算上の各種条件を、ユーザーの要望に応じて柔軟にカスタマイズ可能とした。

 価格は「Infor SCM Demand Planning」が2500万円から、「Infor SCM Advanced Planner」が2000万円から、「Infor SCM Advanced Scheduler」は1000万円から。「当面は各製品とも5社への導入をメドに、基本的に直販で販売していきたい」(笹氏)としている。

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