富士通は10月7日、企業のアプリケーションを効率的に保守、運用することをサポートする「アプリケーションポートフォリオマネージメントサービス」(APMサービス)の「資産分析サービス」を強化したと発表した。資産分析サービスの肝は、富士通研究所が開発したアプリケーションの複雑度を定量的に分析する技術である「インパクトスケール」。同技術を使うことでアプリケーションの機能追加や機能変更を効率的に行えるという。
対象とするのはアプリケーションがカットオーバーされた後の保守・運用フェイズ。業務で使うアプリケーションは保守・運用フェイズでも市場環境の変化や自社の業務の変化、法規制の変化に合わせて改修を行うのが一般的だ。富士通の常務理事 アシュアランス本部長の植松一裕氏は「アプリケーションがビジネスに貢献するには、環境変化に柔軟に対応する必要がある」と話す。しかし、機能追加が相次ぎ、肥大化、複雑化したアプリケーションでは改修が難しい。
インパクトスケールは、呼び出されるプログラムや参照・更新されるデータに重み付けを行ってアプリケーションの複雑度を計測する技術。これまではエンジニアが個人のノウハウや経験をベースに行っていた複雑性の判断を、定量的に計測できるようになるという。インパクトスケールで計測した複雑性に応じて、改修時のテスト範囲を決めることができ、改修の失敗を避けて、アプリケーションの品質を向上させられるという。富士通は「アプリケーション資産の見える化につながる」としている。
インパクトスケールはアプリケーションのソースコードを分析するだけで計測可能。価格は100万ステップで350万円から。
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