在庫回転率を上げる、アイログが物流最適化ツールサプライチェーンの全体最適を図る

» 2008年10月17日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 アイログは10月17日、サプライチェーン全体の在庫最適化を行う新製品「ILOG Inventory Analyst 7.0」と、最適な物流ルートを算出する新製品「ILOG Product Flow Optimizer 7.0 」を発表した。6、7月に発表したサプライチェーン管理製品に続くソフトウェア。同社は年間5社の販売を目標にしている。

 Inventory Analystはサプライチェーンにある工場や各国の倉庫、地域の倉庫など各拠点の在庫の量を最適化するソフトウェア。安全在庫、サイクル在庫、仕掛品、輸送在庫など在庫の種類別に適した量を算出し、サプライチェーン全体の在庫コストを圧縮できる。あらかじめ工場や物流センター、倉庫、各種コスト、需要、輸送時間、オーダーサイクルなどの情報を入力すると最適な在庫が掲載できる。ERPなどと連携してデータを自動入力させることもできる。アイログのテクニカルチームマネージャ 小野木真理氏は「ネットワーク上の全在庫を考慮することにより、部分ではなく全体の最適化が可能になる」と話した。

アイログのテクニカルチームマネージャ 小野木真理氏

 実際にInventory Analystを導入したある自動車部品メーカーでは、原材料工場、完成品工場、中国物流センター、地域統括倉庫、各国の倉庫のそれぞれに安全在庫の最適な量を分配した。これによって在庫回転率が3.0から4.6に改善したという。もちろん、各拠点の在庫を減らしすぎると需要の急激な増加に応えられず機会損失する危険がある。Inventory Analystはアイログの最適化エンジンを活用し、ビジネスの需要に応えながら最適な在庫量に落ち着けることができるという。

「ILOG Inventory Analyst 7.0」の利用画面。各拠点の在庫の状態が分かる

 Product Flow Optimizerは製品の最適な物流ルートを分析するソフトウェア。輸送や倉庫、在庫維持にかかるコストと、納期など顧客の要求とのトレードオフ関係を解析し、可能なルートと最適なルートを導き出す。SKU(在庫管理単位)ごとに配送計画を立てることができ、サプライチェーン全体のコスト削減を可能にするという。

 両製品とも価格は1370万円から。自動車や電子機器、食品、一般消費財、物流など世界に複数拠点を持つ企業が販売の対象。アイログはほかにサプライチェーン管理製品として、計画立案を行う「ILOG LogicNet Plus XE」と生産計画を立てる「ILOG PlantPowerOps」を国内で展開している。

アイログのサプライチェーン管理製品

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