プロジェクトの見える化は、トラブルの早期発見のためにも重要だ。では、プロジェクトの見える化は、いかにして実現したらいいかを検討する。
プロジェクトマネジメントで最も重要な課題は、
の2点であると本連載で解説してきました(「プロジェクトマネージャは、説得術を磨くべし」。
さて今回からは、2のプロジェクトが「うまくいっている」「うまくいっていない」の判断をするための方法、すなわち「プロジェクトの見える化」の方法について述べたいと思います。
火を噴いたプロジェクトのリーダーにお話を伺うと、往々にして「トラブルに気付いたときは手遅れだった」「もうちょっと早く発見できれば、はるかに簡単にトラブルを解決できた」などという意見が多いようです。
おそらく、その感覚は正しいでしょう。要件定義時にトラブルの種を発見できたときと比べ、システムテスト時になってようやくトラブルが発見された場合、対応コストが数十倍、場合によっては数百倍にも跳ね上がるといいます。トラブルの早期発見は、プロジェクト管理者にとって重要な仕事の1つであるといえます。
だからこそ、トラブルの早期発見のためには、プロジェクトの見える化は非常に重要なのです。
「ちょっと待ってよ。口でいうのは簡単だけど、現実はそんなに簡単なことではない。現場では毎日いろいろなことが起きているんだ」という方がいらっしゃるかもしれません。また、見える化のための煩雑な手続きや記録にうんざりしている方もいるのではないでしょうか。
実は、プロジェクトの見える化に取り組んでいる会社からも、同じような意見を数多く頂くのです。
ではなぜ、このような意見が出るのでしょうか。それは、多くの会社で「見える化」という言葉の意味を取り違えていることに起因します。
一般的にプロジェクトの見える化というと、
などの活動を行い、プロジェクトが現在どのような状態にあるのかを見極める材料を提供する活動のことをいうことが多いのではないでしょうか。
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