Twitter、収益化に本腰 日本担当の責任者も募集共同創設者がビジネスモデルに言及

» 2009年03月27日 00時00分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 Googleにもこういう時期があった。いまのTwitterはその一挙一動が世界中のIT関係者から注目されている。対前年で1382%という前例のない高い成長率を武器に、次は何を行うのか、そして企業としてどう収益化を目指すのか。今週はその収益化で大きな動きがあった。

 Twitterの共同創設者ビズ・ストーン(Biz Stone)氏は英ロイターの取材に対して、有料の企業向けアカウントを準備していることを認めた(参考記事)。Twitterが今後のビジネスモデルについて言及するのは初めてだ。

 Silicon Alley Insiderは、その企業向けアカウントについて「重要なのはTwitterは個人にも企業にもフリーで使えるようにし続けることということだ。われわれはすでにあるものを強化し、促進する、シンプルなビジネスプロダクトを検討している」とのビズ・ストーン氏のコメントを紹介している。そのうえでSilicon Alley Insiderは、そのビジネスプロダクトについて、企業のTwitterアカウントをフォローしているユーザーの発言や行動を分析するツールではないかと推測する。

イベント「SXSW 2009」においてTwitterと連動して行われた大手飲料メーカー「ペプシコ」のプロモーションページ

日本担当のカントリーマネジャーを募集

 「Twitterが日本担当のカントリーマネジャーを募集している」。記者はこの情報をTwitterのある人のつぶやきで確認した。リンク先はLinkedInの募集情報で、3月15日に掲載開始されたようだ。募集情報はTwitterの採用ページにも掲載されている。「日本におけるすべてのTwitterビジネスをリードする人材求む」。Twitterは今年、日本でもビジネス展開を本格化させるようだ。そのほかの国のカントリーマネジャーは募集しておらず、Twitterの日本重視の姿勢がにじむ。 

 一部の先進的なギーク層に始まり、流行に敏感な若年層を中心に広がってきたTwitterだが、ビジネスを安定的に成長させるには、より幅広い年齢層や、一般のユーザーに使ってもらう必要がある。いわゆるキャズムを超えることが重要だ。Twitterはそのための取り組みとして、2つのサービスを提供している。

Twitterが用意する「Suggested Users」機能

 1つは新たにTwitterに登録したユーザーに対して、「この人をフォローすると楽しいかも?」というユーザーアカウントを紹介する「Suggested Users」の機能。この機能はTwitterユーザーのプロフィールや趣向などを分析し、お勧めユーザーを抽出している。Twitterは機能を説明するブログで「Twitterに登録しながら、ユーザーの数パーセントは、その後に誰もフォローしていない」と、「Suggested Users」機能を設けた理由を説明してる。

 もう1つは「ExecTweets」。ブログ広告ネットワークの米Federated Mediaと協力して構築したサイトで、大手企業エグゼクティブのTwitterポストを集めている。マイクロソフトが広告を出稿。Twitterはブログで「もしあなたが有名ブランドを持っていて、Twitterによるソーシャルメディアの特定トピックにスポンサーとして関わりたいなら、Federated Mediaをお勧めする」としている。

Twitterが米Federated Mediaと協力して構築した「ExecTweets」

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