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» 2009年12月15日 00時00分 公開

セールスフォース、Force.comのOEM提供を開始NEC、日立ソフト、富士通などが参加

[大津心,@IT]

 セールスフォース・ドットコムは12月15日、SaaS型のビジネスアプリケーション開発・提供を支援する「OEMパートナープログラム」を発表した。同時に、NEC、日立ソフトウェアエンジニアリング、富士通、ジラッファ、日本オプロがOEMパートナーとして各種アプリケーション開発・提供を開始する。

 従来より、セールスフォースでは、ISVやSIerがアプリケーションを提供する環境として「AppExchange」を提供していた。AppExchangeとは、salesforce.comユーザー向けにsalesforce.com上で動作するアプリケーションを有料/無償で提供するサービスだ。ただし、AppExchangeにおいてISVやSIerの独自アプリケーションを購入する場合には、まずユーザーはForce.comを契約したうえで、ISVやSIerから独自アプリケーションを購入しなければならなかった。つまり、Force.comと独自アプリケーションを別々に契約し、購入しなければならなかった。

全体写真 右から、セールスフォース・ドットコム 社長 宇陀栄次氏、日立ソフトウェアエンジニアリング 産業システム事業部 執行役 事業部長 秋山恵穂氏、NEC ITプラットフォームビジネスユニット システムソフトウェア事業本部長 池田治巳氏、富士通 マーケティング本部 CRMソリューション推進室長 小松智氏、日本オプロ 代表取締役 里見一典氏、ジラッファ 代表取締役社長 成戸朗氏、セールスフォース・ドットコム 常務執行役員 保科実氏

 今回のOEMパートナープログラムによって、ISVやSIerは独自ブランドと独自の値段設定で自社のアプリケーションを自社ブランドで提供できる。セールスフォース・ドットコムの代表取締役社長 宇陀栄次氏は、「従来の再販パートナー制度では、定価の70%くらいが仕入れ値だったため、値付けの自由度が低かった。今回は、販売価格の一定割合がセールスフォースの取り分となるため、数千円〜数万円のレベルで自由に値段設定できる。値付けだけでなく、OEMなので自社ブランドとして、自社製品と連携させて販売できるのも大きな魅力だろう」と説明した。

 OEMパートナープログラムでは、CRM機能を除き、あらゆるアプリケーション開発に必要なForce.comプラットフォームを提供。OEMパートナーは、Force.comを組み込んだ独自のアプリケーション販売が行える。プログラムには、無料トライアルやパートナー向けサポート体制、パートナー向け教育プログラムが含まれる。パートナー向けサポート体制では、インシデントベースの料金体系でサポートを提供するほか、開発者サポートページなどを開設する。教育プログラムは、パートナー向けに50%オフで実施するという。

 セールスフォース・ドットコム 常務執行役員 アライアンス&サービス統括本部長 保科実氏は、「今回のOEMパートナープログラムの最大のメリットは、当社が10年間培ってきたクラウド開発プラットフォームと運用ノウハウを利用できる点だ。これを自前で構築したら数年間の時間と数億円規模の投資が必要なはずだ。低コストでSaaSビジネスに参入できる点は、中小規模のSIerやISVにも朗報だろう」とコメントした。

 OEMパートナーに加わることを発表したNECは、Force.comを活用した新サービスとして「勤怠管理ソリューション」や「ITILをベースとした簡易サービスデスク」「設備保全向け外部委託先選定ソリューション(EAM)」などの提供を予定しているという。日立ソフトは、グローバル情報共有基盤における「エンタープライズ向け掲示板」や「グループスケジューラ」を提供予定だ。富士通は、Glovia社のERPを基にした販売管理システムの提供を予定しているとした。また、日本オプロは、同社の見積もりや請求書作成アプリケーション「OPROARTS Apps Easy Merge」を提供予定だ。

 宇陀氏は、「クラウドの世界も寡占化されてはいけないと考えている。一方で、自社でクラウドの環境を立ち上げようとすると、インフラや運用ノウハウなどかなりの初期投資が必要なのも事実だ。中小企業も含めたすべての企業にクラウドビジネスを行うチャンスを与えたいというのが今回の趣旨だ。いままではあくまでsalesforce.comブランドでしか展開できなかったが、今回のプログラムによって、自社のサービスを組み合わせて自分たちのサービスとして売ることができる点はパートナーにとっては大きいだろう。今後は、パートナー企業を100社程度にまで拡大したい。また、現在、日本の顧客は3000社強、ライセンス数は40万強となっている。これを1年後に1万社にまで持っていきたい」と語り、今後の目標を示した。

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