暗号化したまま直接ファイル編集が可能な暗号化システムAndroidやWindows Mobileでの閲覧も可能に

» 2010年11月09日 00時00分 公開
[大津心,@IT]

 富士通ビー・エス・シー(以下、富士通BSC)は11月8日、暗号化システム「FENCEブリーフケース」の機能強化を実施。これに伴い、FENCEブリーフケースを作成するためのソフトウェア「FENCE-Pro」「FENCE-Mail For Gateway」のバージョンアップ版を12月1日より提供開始する。

 FENCEブリーフケースは、複数のフォルダやファイルをまとめて暗号化できる富士通BSC独自の暗号化ファイル形式。ファイルの復号や閲覧は専用の閲覧・編集ツール「FENCE-Explorer」を使って行う。通常、暗号化されたファイルを編集する際は、一度復号し、暗号を解除して平文に戻してから編集する必要がある。しかし、今回バージョンアップされたFENCEブリーフケースでは、FENCE-Explorerを利用することで、暗号化したままの状態でExcelやWordなどの編集・上書きができる点が特徴だ。

 富士通BSC パッケージ&サービス本部 FENCE開発事業部 FENCE開発部 担当課長 松山啓介氏は、「暗号化されているファイルを複号することなく直接編集ができるので、セキュリティが向上している。また、ファイルの暗号・復号は専用ソフトであるFENCE-Explorerで行うので、添付する際に暗号・復号エンジンを省けるためメール容量が少なくてすむほか、メーラーなどのフィルタリングで弾かれる可能性も低い」と説明した。

 FENCEブリーフケースを作成するには、クライアントPC上のローカルハードディスクやUSBメモリなどを暗号化できる「FENCE-PRO」か、専用サーバでメール監査・暗号化を行う「FENCE-Mail For Gateway」が必要。暗号化する際には、「名前を付けて保存を禁止する」「印刷を禁止する」「クリップボードへのコピーを禁止する」など、セキュリティポリシーを設定できる。

 また、今回のバージョンアップによってFENCE-ExplorerがAndroidやWindows Mobileに対応。iOSへも近々対応する予定だという。

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