ニュース
» 2010年12月17日 00時00分 公開

DWHのホットトピックは“テンポラルとリアルタイム”米テラデータのリー氏が語る

[大津心,@IT]

 いま、データウェアハウス(DWH)やビジネスインテリジェンス(BI)の市場では、各社が“インメモリ”や“リアルタイム”などのキーワードを挙げ、さまざまな新製品/新機能をリリースしている。そんな中、DWHベンダのテラデータは11月に同社DWHの最新版「Teradata 13.10」をリリースしたほか、ストレージを100%SSD化した世界初のDWHアプライアンス「Teradata Extreme Performance Appliance 4600」(以下、EPA 4600)を発売するなど、新商品を立て続けに発表した。今回は、これらの製品を担当する米テラデータ プロダクト&マーケティング担当 バイスプレジデント ランディ・リー(Randy S. Lea)氏に商品の詳細や開発背景などを聞いた。

テンポラル機能で時間軸でのレポートが可能に

 リー氏は、テラデータのDWH製品に責任を持つバイスプレジデント。同氏は、最新バージョン13.10の最大の特徴を“テンポラル機能”だと説明する。テンポラル機能とは、DWHに格納されているデータに対して、時間軸によるレポートができる機能。

リー氏写真 米テラデータ プロダクト&マーケティング担当 バイスプレジデント ランディ・リー氏

 例えば、あるコンビニエントストアでは、2009年まではアイスクリームを「冷凍食品」に分類して管理していた。しかし、2010年からは属性を「乳製品」に変更して管理することにした。この場合、テンポラル機能がないと、アイスクリームの売り上げは2009年は冷凍食品に、2010年は乳製品にカウントされるため、2010年の売上高はアイスクリーム分だけ、冷凍食品属性が減り、乳製品属性が増える形となる。このとき、アイスクリームだけを扱っている小売店ならば、この売り上げ変化がアイスクリームの属性変更によるものだとすぐに認識できるが、数百種類を扱うコンビニの場合、理由に気付かない可能性もある。

 テンポラル機能を利用すると、DWHのデータ更新の際にデータに新たな行を追加してタイムスタンプを押す。また、属性変更などを実施した際にもタイムスタンプを押すという。これにより、時間軸での管理が可能になる。例えば、上記のケースでは、タイムスタンプのデータを基にデータを閲覧する場合には、アイスクリームの属性を自動的に変更して表示できるようになる。

 「昔からテンポラルの概念は存在し、顧客の要望もかなりあった。強く必要性を感じていたユーザーは、テンポラル用のアプリケーションを独自開発して利用していたほどだ。しかし、これには多大なコストと負荷が掛かっていた。テンポラルの必要性を感じつつ、コスト面などの理由で断念していたユーザーには朗報だ」(リー氏)と説明した。

 バージョン13.10のその他の特徴は「データ圧縮」。従来から利用していた「マルチ・バリュー圧縮」に加え、新たに「アルゴリズム圧縮」と「ブロック・レベル圧縮」の2種類を加え、計3種類の圧縮機能を利用することで、従来比で4倍程度の圧縮率を実現したという。

世界初! SSD100%のDWHアプライアンス

 続いて同氏が紹介するのが、新製品EPA 4600だ。EPA 4600は、世界初の100%SSDのDWH製品。300GBのSSDをノード当たり8台搭載し、最大24ノード、計18.3TBの拡張性を持つ。「SSDはHDDに比べて4倍の速度を実現するが、だいぶ安くなってきたとはいえ、価格が高いのがネックだ。ハイパフォーマンス分析やリアルタイム分析が必要な金融業界や流通業界に注目されている」(リー氏)。

 リー氏は、「企業内トラフィックの80%が、全データの25%に集中している。このことから、アクセス頻度の高い25%のデータに対してはSSDを割り当て、そのほかの75%のデータはHDDに格納するのが、速度やコストバランス的に最適ではないか」と提案。また、ハイパフォーマンス分野の例として、「航空機は機体にかなりの数のセンサーを搭載しているが、そのデータ容量は1時間当たり1TBに達するという。このようなデータをリアルタイムに分析すれば、さまざまなことに役立てるのではないか」とコメントした。

 また、最近登場してきているインメモリ型BIやDWHに対しては、「インメモリ型も確かに高速だが、2つの面でSSDが勝っていると判断している。1つ目は“データセキュリティ”だ。メモリは電源が落ちるとデータを失うので、万が一ハードウェア障害があった際にデータ損失の可能性がある。2つ目がコスト面だ。HDDと比較するとSSDも高価だが、メモリはSSDよりもさらに高い。この2点からメモリ型よりもSSDの方が良いと当社は判断している」と語った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ