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» 2011年04月20日 12時00分 公開

リポート IT資産管理イベント:クラウド時代のIT資産管理 (2/3)

[唐沢正和,@IT]

資産管理のクラウドサービスも視野に入れ、戦略的な資産運用を

 2番目のセッションでは、エクサ クラウドサービス事業開発部 部長の高橋良広氏が、IT資産管理の実現に向けた考え方と、同社が用意するサービス群を紹介した。

 まず高橋氏は、「企業のIT資産管理は3つのクローズループで構成されている」と解説。1つは、IT資産を無駄なく有効に活用するための全体的な戦略である「IT資産戦略ライフサイクル」の大きなループ。残りの2つは「IT資産戦略を支える」小さなループであり、IT資産の機能の有用性を監視・管理する「IT運用管理ライフサイクル」と、“IT資産の存在の整合性”を担保する「IT資産管理ライフサイクル」だ。

エクサ クラウドサービス事業開発部 部長の高橋良広氏 エクサ クラウドサービス事業開発部 部長の高橋良広氏

 高橋氏はこれらを指して、「IT資産を中心にして、この3つのライフサイクルをひも付けて管理することが、ビジネスの目標達成の源泉となる」と述べ、そのような“ビジネスからの要求に対応できるIT資産運用”を実現するための「IT資産運用管理」という考え方を示した。

 同社では、顧客企業にこの「IT資産運用管理」の実現・改善を果たしてもらうために「IT資産運用管理 成熟度レベル診断」「コンサルティング」「IT資産統合管理SaaS(以下、SAMaaS)」という3つのサービス群を提供しているという。

 まず「IT資産運用管理 成熟度レベル診断」では、独自のチェックシートを活用して、IT資産運用管理の現状と将来を可視化。「コンサルティング」では、IT資産の棚卸し/全体像把握/IT資産戦略という3つのステップでコンサルティングを実施し、自社の状況に合わせて取り組むべき内容を明らかにしつつ、IT資産運用管理の“最適化”を図っていく。

 一方「SAMaaS」は、各部門に散在するIT資産の統合管理を実現できるクラウド型のサービスだ。具体的には、同社の「IT資産統合管理DB」をインターネット経由で提供することで、現行の資産管理プロセスへの影響を最小現に抑えながら、IT資産の統合管理を実現できるという。こちらは今年夏ごろの提供開始予定としている。

 高橋氏は、「全社共通の管理項目だけSAMaaSを利用するなど、クラウドサービスを上手に活用することで、高度な“IT資産運用管理”を柔軟に行える。すぐに利用できて、素早くその効用を判断できる点もクラウドサービスのメリットだろう」と解説。成熟度レベル診断、コンサルティングサービスと合わせて、「現状の資産管理プロセスに与える影響を抑えつつ、ビジネスの要求に対応できる戦略的なIT資産運用」を図るための現実解を示した。

IT資産管理の取り組みを段階的に高度化しよう

 3番目のセッションでは、フレクセラ・ソフトウェア シニアアカウントマネージャーの秋元直志氏が、「クラウド時代におけるIT資産管理の最適化」をテーマに、そのノウハウと同社のソリューションを紹介した。

フレクセラ・ソフトウェア シニアアカウントマネージャーの秋元直志氏 フレクセラ・ソフトウェア シニアアカウントマネージャーの秋元直志氏

 同社では、IT資産管理の最適化に向けた4つのレベルを定義している。まずレベル1はソフトウェアと、ハードウェアのインストール状況を認識する段階。レベル2は資産管理や注文書/契約書などの管理を行う。秋元氏は「現在、多くの企業は、このレベル2までの対応にとどまっている」と指摘する。

 一方、レベル3とは「契約・法令に準拠しているか、継続的にモニタリングを行う」とともに、「保守更新/ベンダによる監査への備えも実施している」レベル。そして最後のレベル4が、「ライセンスの消費量とソフトウェアの最適化を図っている」という内容だ。

 こうしたIT資産管理の最適化を支援するソリューションとして同社が提供しているのが「FlexNet Manager Suite for Enterprises」だ。秋元氏は同製品について、「ゼロからIT資産管理に取り組む際に役立つだけではなく、すでに実施している企業にとっても、既存のIT資産管理ソフトと共存・融合して、その機能を拡充できる。さらに、戦略的なライセンス最適化も図れる」と、製品の特徴をアピールした。

 具体的には、レベル1、2については、同製品群の中の「FlexNet Manager プラットフォーム」、もしくは既存のIT資産管理ツールを使って、各種ITシステムからソフトウェア資産管理とライセンス最適化に必要な情報を収集・管理して対応する。一方、レベル3、4については、同製品群の中の「ライセンス最適化エンジン」が役立つという。これは、多くの企業で多数のアプリケーションが使用されているマイクロソフトとアドビの製品についての「製品使用権ライブラリ」を搭載した製品だ。

 秋元氏は、「これにより、マイクロソフトやアドビのソフトウェアについて、継続的かつきめ細かく保有ライセンスを最適化できるほか、法令も確実に遵守できる。むろんコスト削減、リスク低減にも役立つ」と解説。IT資産管理の段階的な高度化を狙うことと、そうした高度化をサポートできる“無駄のないツール選択”の重要性を訴えた。

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