富士通は5月25日、ディスクアレイ「ETERNUS DX series」のラインナップを強化し、エントリークラスの「ETERNUS DX80 S2」「ETERNUS DX90 S2」(以下、DX80 S2/DX90 S2)、ミッドレンジクラスの「ETERNUS DX410 S2」「ETERNUS DX440 S2」(以下、DX410 S2/DX440 S2)を発表、6月30日から提供する。併せて、操作性・機能を向上させたストレージ管理ソフトウェア「ETERNUS SF V15」も8月31日から提供する。
新製品の特徴は大きく3つ。1つは高性能CPUの採用と内部バスの高速化により、大幅なスループット向上を図ったこと。DX80 S2は従来モデルのX80に対し2.2倍、DX410 S2はDX410の4.2倍、DX440 S2はDX440の2.6倍のスループット向上を実現した。サーバのデータ転送速度は、従来の8Gbit/秒(Fibre Channel)、1Gbit/秒(iSCSI)、6Gbit/秒(SAS)に加え、新たに10Gbit/秒(FCoE)、10Gbit/秒(iSCSI)をサポート。ストレージ間の高速かつ大規模なネットワーク構築を可能にしたという。
2つ目はストレージ管理ソフトウェアの最新版「ETERNUS SF V15」により、ストレージの運用管理の負荷を低下させたこと。性能・障害を管理する「ETERNUS SF Storage Cruiser 15」、高速コピーによるバックアップやレプリケーションを管理する「ETERNUS SF Advanced Copy Manager 15」、エントリ向け導入運用管理ソフト「ETERNUS SF Express 15」の3製品があり、それぞれウィザード形式のUIで導入・設定が容易に行えるほか、3製品とも画面デザインや操作性を統一したことで、SAN管理、性能/障害管理、バックアップ、レプリケーションの管理など、各種機能の使い勝手を高めた。
また、4製品はHDD(ハードディスクドライブ)とともに、SSD(ソリッドステートドライブ)にも対応していることから、データの利用頻度や特性に応じて、各ドライブへの最適なデータ配置を実現する「ストレージ階層制御機能」もオプションで用意。2011年9月27日から提供開始する。「任意の期間、各種データへのアクセス頻度をモニタリングし、その結果に応じて(夜間などシステムをあまり使わない時間に)最適なドライブに自動的に配置変更する」仕組みで、このサイクルを繰り返すことにより、「そのときどきの業務状況に応じた最適なデータ配置を効率よく実現できる」という。
なお、DX80 S2/DX90 S2には、従来、上位モデルでサポートしてきたシン・プロビジョニング機能を新たに追加。ディスク容量のスモールスタートを可能とし、投資削減にも寄与するという。このほか、4製品とも従来比58%の小型化、従来比54%の省電力化を果たしている。
価格はDX80 S2が194万3000円、DX90 S2が559万円、DX410 S2が1074万8000円、DX440 S2が2024万8000円から。管理ソフトウェアのETERNUS SF Storage Cruiser 15は41万円、ETERNUS SF Advanced Copy Manager 15は51万円、ETERNUS SF Express 15は16万円から(全て税別)。
富士通 執行役員 ストレージシステム事業本部長の五十嵐一浩氏は、「弊社ではデータの保全性・セキュリティを強化することによって、あらゆる企業活動を支援する『The Flexible Data Safe』という新コンセプトを打ち出している。現在、世界71カ国にストレージ製品を提供しているが、今回の新製品を通じて事業継続、セキュリティ、コンプライアンスなどに寄与することで、現在国内では2位、世界では8位のシェアを大きく伸ばしていきたい」と力説した。
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