pass around / 回覧レビュー
ソフトウェアレビュー(注1)手法の一つで、レビュー対象となる成果物(注2)を電子メールなどで複数のレビューアに配布・回覧し、フィードバックを求める方法をいう。回覧式、配布式、集中式(掲示板式)がある。
物理的・時間的な理由で会合が持てない場合、簡易にコメントが欲しい場合などに用いられる。レビューアの招集コストが不要で、必要に応じて多人数からのフィードバックが得られるので、理論上は欠陥の見落しリスクが小さくなる。電子メールや文書管理システム(注3)を利用すれば、遠隔地のレビューアに参加してもらうことも可能となる。
パスアラウンドの欠点としては、レビューアが積極的に協力してくれない場合、回答を得ることが難しい点がある。また、レビューア同士が顔合わせをしないので、お互いの意見に触発されて新しい指摘がされるといった効果はあまり期待できない。同じ欠陥の重複指摘による冗長コスト、矛盾する意見を1つにまとめるて結論を出すコストなども発生する。
ほかのレビュー法に比べて比較的容易な方法だが、レビューア側の都合を考えない一方的な依頼となっては、成果は期待できない。レビューアがレビュー時間を確保できるようなタイムスケジュールや事前予告、レビュー目的の説明といった配慮が必要となろう。
回覧式 | 1つのレビュー対象物を複数のレビューアで順番に見てもらう方法。ほかの方法に比べて時間が掛かる。ワークフローシステムがあれば、回覧状況を確認できる |
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配布式 | レビュー対象物のコピーをレビューアの人数分作り、配付する方法。レビュー作業を同時並行して行えるが、結果の整理・集約作業が必要になる |
集中式 | レビュー対象物を一カ所で閲覧してもらう方法。通常は電子掲示板やファイルサーバ、文書管理システム、リポジトリなどを使う |
▼『ソフトウェア品質知識体系ガイド――SQuBOK Guide』 SQuBOK策定部会=編/オーム社/2007年11月
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