日本HPは11月9日、経営戦略に即したIT戦略の立案・実現を支援する「HP IT変革アドバイザリーサービス」を提供開始すると発表した。コンパックやEDSなど、同社自身が大規模な合併を通じて経験・蓄積してきたIT変革のノウハウを標準化、メニュー化したサービスであり、経営とITの課題を包括的に解決するという。
仮想化、クラウドの浸透を受けて、ITシステムが年々複雑化している一方、企業は市場環境変化に合わせて、経営戦略とIT戦略を柔軟・迅速に同期させていかなければならない。だがCIOやIT部門にとって、現状業務をこなしながら業務課題に優先順位を付け、着実にシステムを改善し続けていくことは、現実的にはかなりハードルが高い。
今回発表した「HP IT変革アドバイザリーサービス」はそうした状況を見据えたサービス。グローバル規模の大規模な合併を通じて蓄積してきたITシステム最適化のベストプラクティスを基に、そのノウハウをサービスメニューとして提供。“市場環境変化に即したIT変革”を支援するという。
サービスはユーザー企業が主体的に会議体に参画する4つの「フォーマット」と、HP側が主体的にサポートする5つの「メニュー」で構成する。
まず「フォーマット」には、HPの変革事例や他社事例などからベストプラクティスを学ぶ「IT ラウンドテーブル」、体系的な調査手法によって現状を可視化、客観的に把握する「アセスメント」、検討すべきポイントをまとめた上で、関係者とコンサルタントが集まり、変革の方向性と構想を短期間でまとめる「ワークショップ」、そしてHP が蓄積したIT変革ノウハウを生かし、無駄やモレのない全体構想計画を策定する「構想・計画立案」をラインナップ。
「メニュー」には、経営戦略との整合性を確保したIT戦略策定を支援する「IT戦略&構想策定」、クラウドを含めた既存インフラの統合、仮想化、自動化、運用最適化のアーキテクチャを策定する「クラウド&データセンターインフラストラクチャ」、端末環境を改善して従業員のワークスタイル変革を支援する「バーチャルワークプレース」、コストを最適化しながら、システム構成変更に柔軟・迅速に対応できるネットワーク環境を構築する「ネットワーク」、安全で柔軟なIT環境構築を支援する「セキュリティ」を用意している。
なお、メソドロジやアーキテクチャは日本企業の特性に合わせて最適化しているほか、オープンソースソフトウェアにも対応しているという。
同社では本サービスメニューについて、「実際に自社で行ったIT変革をプロセス化し、“変革を実現するためのポイント”を着実にクリアできるよう、詳細なチェックリストを設けている点が1つの特徴。成功要因を反映させるだけではなく、実行可能な計画を立案して“着実に実施”することが、変革の唯一のステップと考えている」とコメント。中堅規模以上をメインターゲットに、当面は50件のサービス提供を目指すという。
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