メルマガ実効広告費ランキング発表!From Netinsider(5)

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» 2012年11月18日 15時13分 公開
[Vagabond,@IT]

<vol.5の内容>

「マーケットレポート」

大々的なキャンペーンがまだ記憶に新しい「メルマ」。メールマガジン広告媒体としてはどれくらい有効なのか、その実態が浮き彫りに。


「ザ・クライテリア」

今回は、株式公開の際の「公開市場の選び方」を取り上げています。マザーズやナスダックジャパンなどの特色や公開後のIR負担などのポイントから解説。




■■ マーケットレポート■■



第5回 メールマガジン広告利用実効調査:
実効広告費ランキング
メルマが全部門で1位。女性はソネットとCaz、金融は田中宇と村上龍が健闘

ネットインサイダー編集部では、メールマガジンの購読実態を明らかにすべく、主要メールマガジン27誌を対象に6万人にアンケート調査を実施し、3,403人の回答を得た。調査結果については、既に本誌で3回に分けて報告したが、読者からの問い合わせや他誌からの転載依頼も多かったことから、更に3回追加し6回に渡り報告する。詳細なレポートは資料として発売されている。調査対象、概要、詳細レポートなどについては、下記URLを参照。


要約

  • 全体では、「メルマ」「Real News」が1円を切っており、実効広告費は安くなっている。
  • 女性実効広告費のトップ3は、「メルマ」「Chance It!」「weeklyExpress@nifty」であった。また全体と比較すると女性購読率の高い「Cazメール」 「So-net最新情報」が上位にランキングされている。
  • 金融実効広告費は、全体と同じで「メルマ」「Real News」「weeklyExpress@nifty」となっている。全体と比較すると金融に関心のある読者比率の高い「田中宇の国際ニュース解説」「村上龍のJapan Mail Media」のランクが高くなっている。
  • 「メルマ」はすべての実効広告費でトップであり、「ネットインサイダー」は最下位にランクされる結果となった。

実効広告費一覧

順位 誌名
1 メルマ 0.6
2 Real News 0.9
3 weeklyExpress@nifty 1.3
4 Chance It! 1.4
5 InterNet NOW! 1.4
本結果は、2000年6月下旬から7月初旬にかけて行われた調査による


女性実効広告費一覧

順位 誌名
1 メルマ 1.2
2 Chance It! 2.5
3 weeklyExpress@nifty 2.6
4 Real News 2.9
5 WeeklyMag2 3.1
本結果は、2000年6月下旬から7月初旬にかけて行われた調査による


金融実効広告費一覧

順位 誌名
1 メルマ 2.6
2 Real News 3.6
3 weeklyExpress@nifty 4.7
4 田中宇の国際ニュース解説 5.3
5 InterNet NOW! 6.1
本結果は、2000年6月下旬から7月初旬にかけて行われた調査による


指標の定義

●実効広告費:ヘッダー広告費÷実効読者数で算出。実際の読者に対する広告効果の目安となる。

●実効広告費(女性):ヘッダー広告費÷実効女性読者数で算出。実際の女性読者に対する広告効果の目安となる。

●実効広告費(金融):ヘッダー広告費÷実効金融読者数で算出。実際の金融読者に対する広告効果の目安となる。

参考情報

メール広告利用実効調査 第一期調査結果

http://vagabond.co.jp/vv/p-mm01.htm

メール・コンテンツレビュー 第一期調査結果

http://www.vagabond.co.jp/vv/mcr.htm

メール・アド・レポートVol.1,2

http://vagabond.co.jp/vv/p-mar0102.htm

メール・アド・レポートVol.2 メールマガジン偏差値分析

http://vagabond.co.jp/vv/deviation.htm

(データ引用は編集部までご連絡ください netinsider@vagabond.ne.jp )



■■ ザ・クライテリア ■■



監査法人太田昭和センチュリー
公開業務推進部長() 田村義則
(3)公開市場の選び方

新興市場の乱立

昨年11月に開設された東証マザーズ市場、本年6月に始動する大証のナスダックジャパン市場及び中堅・中小企業及びベンチャー企業向けの株式公開市場として老舗の店頭市場。

この3市場の他に、大証新市場、札幌のアンビシャス、福岡のQボードと新興企業向けの株式市場は乱立している。ここでは、大証新市場以下の市場については取り上げない。

東証マザーズの対象となる会社は、今後の成長または拡大が期待される分野に属する事業を主要な事業とする会社で、高い成長可能性を有していると引受証券会社が判断した会社であり、上場時に時価総額(公募価格×発行済株式数)が5億円以上見込まれる会社とされている。

新興市場は値の付かない日も多く株価も不安定

現在までは、ネット関連企業の赤字会社の上場が多く、市場開設当初は異常な人気であったが、売買手法も顧客の売買注文を付け合わせる委託売買制度を採用しているためか、最近は値の付かない日も多く、株価も不安定な展開を続けている。

店頭市場は、利益が生じており、純資産が2億円以上の会社が1号基準、主要な事業歴が10年以下の会社や研究開発型の会社で時価総額が5億円以上見込まれる会社が2号基準を選択できる。この審査の主体は、証券会社に置かれている。

すでに株式公開している会社が、ナスダックジャパンに移行

新興企業向け市場の老舗として、オールドエコノミーの会社もニューエコノミーの会社も多く参加しているが、全体的には、IT関連株が市場をリードしている。売買手法も委託売買の他、マーケットメイク方式も採用しており、小型株でも売買できるように工夫している。昨年12月までは、ベンチャー企業の株式公開の場は店頭市場と相場が決まっていたが、東証マザーズやナスダックジャパンの開設により、当初、店頭市場への公開を目指していた会社が、新設の市場に対象市場を変更したり、すでに株式公開している会社が、ナスダックジャパンに移行する事例も生じている。

ナスダックジャパンは、質的に優れた高成長企業を対象とするスタンダード基準と潜在的な成長力に富むベンチャー企業を対象とするグロース基準の2つを設け、グロース基準については時価総額が50億円となることが1つの要件とされている。

現在、上場を予定している会社は、店頭市場経由のもの、他市場重複上場のものが多い。

売買手法は、当初は、大証のシステムで委託注文方式となるが、第2段階では、マーケットメイク方式と委託売買方式の並立したハイブリッド型システムとし、売買監視システムも米国仕様のものとし、第3段階では、日米欧共通市場の構築を目指している。

ナスダックジャパンにおいても審査の主体は、証券会社が担うこととされている。

2つの市場の廃止基準のちがい

各市場の株式公開基準の特徴を見ると、大きな差はないが、廃止基準では、ナスダックジャパン、店頭市場ともに厳しい廃止基準を用意しており、入り口の基準は、低くても実態が株式公開企業にふさわしくない場合、廃止する方向を打ち出しているが、東証マザーズは、入り口も廃止基準も低い基準となっている。そのため、東証マザーズは、企業家の方を中心にしている市場とも言える。それはともかく、各市場の株式公開基準の基本となっていることは、会社の規模で上場会社の選別を行わないことと、証券取引所がこれまで主体となっていた審査を開示に関する一部部分を除きほぼ放棄し、引受証券会社にその責任を委ねていることにある。

情報サービス産業化しつつある現在の証券市場でその開設者がシステム開発など多大な設備投資を行い、競争に打ち勝ってゆくためその組織形態を株式会社化する計画が進行しており、より良いサービスの提供を競う状況は、当面続きそうである。株式公開希望を持って、準備を進めている会社は、今一度株式公開会社を目指す目的を明確にし、果たして事業計画の実現可能性が高いか、最悪の場合の対応策は出来ているかを熟慮し、自分の会社が、一般投資家に理解され、投資対象として魅力ある会社なのかを考えてみるべきである。

公開は、費用と労力のかかる説明責任

他人のお金を預かることは、責任が重い。株主には、充分に事業の進捗状況を説明しなくてはならない。自己資本は、よく返さなくても良い金といわれる。株式公開によって、創業に協力してくれた方に換金の場を設けることもわかるが、それを肩代わりする人もまた、自社の株主である。彼らにインカムまたはキャピタルゲインとして利益を還元しなくてはならない。株式公開後は、説明責任の対象者も大変に広く、そのための費用、労力もかかる。そうした目処もないまま株式公開をしたら、会社は信用を失い市場から駆逐されてしまう。

公開後のIR負担と公開市場

株式公開後は、3月決算会社であれば、連結財務諸表を主体とする決算発表を4月から5月に行い、株主総会を6月に、中間決算発表を10月から11月に行う必要がある。また、各市場とも、四半期報告を義務付けたり、推奨している。そのため、第一四半期の報告を8月ころに、第三四半期の報告を2月ころに行う必要がある。

また、マザーズ上場の場合、年2回以上の会社説明会の開催が義務付けられている。そのほか、計画数値が、月次の積み上げの結果、売上高で予想発表数値又は前年実績より10%以上の差、利益で30%以上の差が生じる可能性が高くなると、業績見込みの修正発表を、役員人事、主要株主や子会社、親会社の異動、資産の大幅な変動等臨時的な報告をタイムリーに行う必要がある。株式公開基準は、引き下げられたが、株式公開後のディスクロージャー義務は、むしろ強化されつつあり、会社の信用を高めるため、IR活動も必須用件となりつつある。

こうした負担をしても、株式公開が会社の業績拡大のプラスとなると判断したら、市場を選ぼう。ただし、それぞれの市場には、イメージ的な違いはあるが、それよりも、会社の魅力の違いが大きく株価に現れるものと思われる。

とりあえず、店頭市場の特徴といえば、新興企業の株式市場として老舗であり、売買の中心はIT関連銘柄で占められ、現在東証1部に次ぐ規模を持つ市場である。売買手法も小型株の売買に適しているとされているマーケットメイク中心の市場として整備されつつあるが、ベンチャー企業向けの2号基準は、東証マザーズにその役割を奪われた感が強い。また、市場間競争に勝ち抜くには、市場開設者に強いリーダーシップが求められる。

東証マザーズ人気低下で店頭へスイッチする会社も

東証マザーズは、開設当初はムード先行の一大ブームを巻き起こしたが、小型株に対する売買手法に配慮がされていないことやあまりにも低い上場基準と安易な誘致姿勢により、ネット株、赤字会社中心の市場となり、上場後の決算がいずれの会社も芳しくないこともあって、市場に対する信頼感を失いつつある。最近では、上場基準を強化する方向に東証も軌道修正しつつあるようだ。最近のこのような状況にあって、マザーズ上場から店頭登録へ切り替える会社も見られる。

ソフトバンクの「私設市場」?

ナスダックジャパンは、世界的なブランド力を持っており、世界的な経営戦略を持っている会社には最適な市場と考えられる。上場基準も廃止基準もほぼ米国の長い経験に裏打ちされた基準を採用しており、市場の信頼感も高いが、当初の売買手法が大証の委託売買手法である点やソフトバンクの「私設市場」としてみられている点が気にかかる。また、既公開銘柄を多く上場させるやり方も市場の活性化につながるかどうか疑問である。

(第4回「コンサルタントの選び方」へつづく)


)筆者は現在日本ファースト証券に在職

次回「From Netinsider Vol.6」の掲載は11月6日です。

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