トランザクション管理の複雑性を克服する(パート1)The Rational Edge(1/4 ページ)

The Rational Edgeより:サービス指向のインフラの中で発生するビジネストランザクションは非常に複雑だ。それは、サービスが非同時的で、さまざまな形態を取り、分散し、不透明な場合が多いためだ。本稿は、トランザクション・コーディネーションサービスがこの複雑性をどのように調整し、管理するかについて説明する。

» 2012年12月06日 01時56分 公開
[Benjamin Lieberman,@IT]

トランザクションは、業務上のあらゆるやりとりに必要なものだ。トランザクションは、特定の業務活動が隅々まで適切に遂行されるのを保証する目的で存在する。どこか1カ所でも不備が発生したら、データの一貫性を維持するため、トランザクション全体を遂行できなくしなくてはならない。

 また、サービス指向アーキテクチャの出現により、Webベースサービスの特性もあって、トランザクション管理の複雑性はさらに増している。サービスは非同時的で、さまざまな形態を取り、分散し、不透明な場合が多い。サービス指向アプローチの価値を企業がフル活用するためには、資源確保、業務機能調整、並行処理コントロール、そして復旧処理をはじめとするトランザクション管理の仕組みを、サービスの開発者が理解しておく必要がある。

 本稿は、複雑なサービス指向アーキテクチャにトランザクションをインプリメントする際の特性と問題を2回に分けて解説する。今回のパート1では、資源確保、業務機能管理、並行処理コントロール、そして障害復旧をはじめとする複雑な業務活動を整理し、コントロールできるトランザクション・コーディネーションサービス(TCS)を通してトランザクション管理を解説する。一方のパート2では、TCSの候補になるアーキテクチャを紹介する。

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