ITセレクト powered by 発注ナビ

不動産業界の業務効率化を支援するCRMの選び方とおすすめツールを紹介

author
ITセレクト編集部

更新

SHARE
X
Facebook
LINE
はてなブックマーク

不動産業界の業務効率化を支援するCRMの選び方とおすすめツールを紹介のメインビジュアル

不動産業界での業務効率化には、CRMの導入が効果的です。顧客管理を一元化することで、営業活動の質を高めるだけでなく、追客や現場での対応を効率化し、結果的に顧客満足度を向上させることができます。本記事では、不動産業向けCRMの選び方と、おすすめのツールについて詳しく解説します。

不動産業向けのCRMとは?

CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理システム)は、顧客に関する情報を一元管理して蓄積し、活用していくことで営業活動の高度化と効率化、顧客との関係強化を目指すIT製品です。例えば不動産業では、個人、法人さまざまな立場や状況の顧客が存在し、売買・賃貸の仲介、物件の管理運営や評価査定、契約、広告・営業、相談・コンサルティングなど同様にさまざまな業務と結び付けて活動します。CRM=顧客関係管理とは、顧客情報と関係、関連する情報を結び付けた情報を管理していく考え方のことです。

CRMを活用することで例えば「営業担当者が適切なタイミングで顧客へアプローチし、契約を得る活動」のような営業成果への確実性が増します。顧客の契約満了日はいつか、相談・問い合わせ回数が増えてくるのは毎年いつ頃か、どんなクレームがいつ何回あったか、Webサイトをいつ頃どのように回遊したか、のような行動履歴をはじめとする“顧客とその関連するデータ”から、「この顧客はいま購買意欲が高い」ことを把握できれば、おそらく営業の成功率を高められることでしょう。属人化しやすい経験、カンやコツのような要素だけでなく、明確な「データ」を根拠に活動を進めていけるようになるのがポイントです。

    おすすめ    データドリブン営業とは? 重要性と実践方法を解説

顧客との接触機会を増やす追客機能

不動産向けCRMには、顧客との継続的な接触を支援する「追客機能」がニーズの高い機能の1つです。この機能は、営業担当者が定期的に顧客へフォローアップメールを送り、顧客の関心を維持しやすくする役割があります。顧客が物件を検討する期間が長くなりがちな不動産売買のシーンで定期的な連絡は重要となるでしょう。

また、CRMには顧客の行動に応じた自動返信やステップメール機能を備える製品もあります。ステップメールとは特定のアクションをした人に向けて、あらかじめ設定したスケジュールに沿って自動配信するメールのことです。例えば、ある物件情報を閲覧した顧客へ自動で追加情報を送り、興味を維持させるといった活動に効果的です。昨今は、LINEのような顧客が普段使い慣れている連絡ツールを選びつつやりとりできる機能も標準的に備わっています。メールの開封やリンクのクリック状況を見て、顧客の関心が高まっていると見込めるならば、その適切なタイミングで次のアプローチが可能になるでしょう。

スマートフォン対応と現場での活用

不動産業界では、営業担当者が外出活動するシーンも多いです。CRMに限らずIT製品はモバイル/スマートフォン対応であることも必然として求められるでしょう。出先でもCRMの情報へアクセスできれば、物件の詳細や問い合わせ内容なども含めてすぐに対応できます。自身の効率はもちろん、顧客の信頼をより得ることにも大きく寄与するでしょう。

また、活動状況も「見える化」され、進捗を把握しやすくなります。進捗を全体俯瞰できれば、自身も、上司・管理者も、商談状況を見ながらその場で次のアクションを決めるといった判断がしやすくなります。

不動産業向けCRMの導入がもたらすメリット

不動産業界において、クラウド型/SaaS型CRMの導入は業務の効率化と営業活動の強化改善に役立ちます。CRMを導入することで得られる具体的なメリットは以下の通りです。

  • 顧客情報の一元管理できる
  • 追客業務を自動化できる
  • 顧客満足度を高められる/リピーターを増やせる
  • データに基づいた営業戦略を立てられるようになる
  • モバイル対応により現場で即座に対応可能になる

顧客情報を一元管理できる

CRMを導入すると、顧客情報や物件情報、そして過去のやり取りを1つのシステムで管理できるようになります。これにより情報が散在せず一元的に管理されるため、漏れや重複といったミス・混乱の可能性を大きく低減できます。複数の担当者が別の案件で同じ顧客を担当するとしても、顧客情報を一元化していることで、他担当者が共有した情報も得て対応できます。担当者間の連携が向上し、効率的な業務進行が実現します。

顧客の希望条件や購入履歴なども把握できれば、担当者は顧客のニーズに合った提案を的確に行いやすくなります。一目で分かれば無駄な確認作業も減り、活動の効率を高めることに大きく寄与します。

    関連    エクセルで顧客管理を効率化する方法

追客業務を自動化できる

CRMの多くの製品には追客業務を自動化できる機能が備わります。例えばメールの一括送信機能、ステップメール自動化機能などです。個々の顧客に対するフォローアップを迅速かつ自動的に行うことができます。

このほか、顧客の行動履歴をもとに次にやることをシステム側で提案してくれる機能を備えた製品もあります。経験が少ない担当者も統一した指針で活動しやすくなるでしょう。リマインダー機能も併用すれば、重要な連絡を忘れることなく対応漏れによる機会損失を防げます。

こういった定型業務が自動化されることで、営業担当者は営業戦略の考察や顧客との商談に集中できる環境も整います。より効果的な営業活動を行い、業務の質を向上させることが期待できます。

顧客満足度を高められる/リピーターを増やせる

CRMは、顧客からの問い合わせ対応に伴う体制を強化できます。顧客から連絡を受けたらすぐに応対する、客が求めていることを的確に返答すれば、顧客との信頼関係をより高めていくことができます。

クラウド型/SaaS型CRMのほとんどはモバイル利用に対応しており、またメール、LINE、SMSなど顧客との連絡手段を任意に選択できる機能を持つ製品もあります。

データに基づいて営業戦略を実行できる

CRMは営業活動の結果や広告媒体の効果などもデータとして蓄積します。どのアプローチが効果的であったのかをデータ分析し知見を得て、次の営業活動につなげるといった戦略を練られるでしょう。例えば、顧客の属性や行動パターンに基づいて絞り込み、その顧客を狙い撃ちする=ターゲティング化する、などが挙げられます。

また、一元化データを軸に動くことで、上司・管理者・経営層もリアルタイムで営業状況を把握できます。上層部の迅速な意思決定も支援し、柔軟な経営判断を実現できます。

    関連    「営業戦略」をより強化する方法
    おすすめ    「マーケティング戦略」をより強化する方法

モバイル対応により現場で即座に対応可能になる

CRMに限らず昨今のクラウド型/SaaS型IT製品は、ネット接続環境と適当な表示デバイス(PCやスマートフォン、タブレットなど)があればいつでも、どこでも利用できる利便性の高さがメリットの1つです。従業員に向けて、出先や現場、自宅などでも即座に顧客対応できる環境を容易に整えられます。特に不動産業界では現場での迅速なな対応が求められるシーンが多いため、顧客への対応力が高まることでその後の契約率や顧客満足度の向上につながることでしょう。

不動産向けCRMを選ぶ際のポイント

CRMの検討・選定は、業態やニーズに合った機能を持つかどうか、それが自社に合っているかどうか、導入後にスムーズに運用できるかどうかを確認することから考えていきましょう。選定時に考慮すべきポイントを詳しく解説します。

自社の業態に合った機能を持つCRMを選ぶ

不動産業では例えば、賃貸仲介中心なのか、売買仲介やコンサルタントなども統合的に扱うのか、管理目的なのか、営業活動強化目的なのかなど、業態やニーズに沿って、CRM製品の中でも得意不得意、向き不向きがあります。

賃貸仲介向けのCRMには例えば、「複数の不動産ポータルサイトから来る顧客・問い合わせを効率的に管理できる機能」のニーズが高いようです。CMSの自動連携機能を用いてポータルサイトの情報を取り込み、シームレスに顧客対応できるようにします。併せて「フォローアップメールの自動送信機能」も営業強化と効率化に向けて求められることが多いようです。

売買仲介向けのCRMでは、「長期的な追客を支援する機能」が求められます。額が多く、客はより慎重になり、期間も長くなる不動産売買の商談における駆け引きは、これまで担当者の経験やカン・コツのような不確定な要素が多くを占めていたのではないでしょうか。CRMはこの能力を均一化する効果が期待できます。顧客の検討状況や心理をデータから把握して適切なタイミングで顧客フォローできる機能、自動化された物件提案機能、検討の進み具合を可視化するツールが役立ちます。

このほか、前述した「モバイル対応」にもいくつか確認要素があります。顧客の重要な資産(不動産)を扱う業種となれば、アクセス制御、認証など、セキュリティ対策と運用の指針は明確に定めておきましょう。この上で、自社のニーズを叶えられる機能を持つかどうか、製品ベンダー(提供会社)に遠慮なく問い合わせて確認しましょう。そもそも何からやればよいかから分からなくてお困りでしたら、IT専門スタッフのいるITセレクトのコンシェルジュ(無料)に遠慮なくお問い合わせください。

無料でIT製品選びをお手伝いします

御社に合ったIT製品・サービス・会社を厳選してご提案します。

製品探しを依頼する

連携機能と操作性

CRM選びで重要なポイントの1つが、他システムとの連携機能です。賃貸管理システムや顧客データベースなど、他の社内システムとのデータ共有がスムーズに行えるかは大事な要素となるでしょう。業務効率を上げるには複数のシステムを連携させ、データを一元管理する環境に整えることが効果的です。

操作性については、特に現場で働くスタッフが直感的に操作できることが求められます。簡単に操作できるシステムであれば、短期間での習熟が期待できます。さらに、スマートフォンやタブレットでも使いやすいか確認しておくと、外出先でも効率的に営業活動が行える環境を整えられます。

サポート体制を確認

運用サポート体制も重要な考察ポイントとなるでしょう。社内にIT専任担当者やチームがある企業ならばともかく、ITシステムについては総務・経理部門や経営者自身、あるいは“詳しい人”が兼任しているシーンは多いと思われます。

このため、システムの使い方を理解するための導入時トレーニング、初期設定のサポートメニュー、使いこなすための学習メニューなどがあるかどうか。そして、システム利用中にトラブルが発生したときの対応、方法などのサポートサービス体制の有無、内容、範囲、料金の確認を忘れずに行いましょう。何か問題が起きたときにすぐに解決できるサポート体制が整っていることで、業務への影響を最小限に抑えられます。

さらに、定期的なシステムのアップデートや機能追加が行われるかも大切なポイントです。システムの改善が続けられているかどうかは長期的に運用する上での安心感につながります。専門スタッフによるコンサルティングやカスタマイズの相談が可能かどうかも導入したシステムを最大限活用するために役立ちます。

不動産業界向け機能を備えるCRM3選

ここでは不動産業向け機能を強みに据えるCRMを紹介します。

(製品名abcあいうえお順/2024年11月時点)

いえらぶCLOUD

logo

いえらぶCLOUD

株式会社いえらぶGROUP

2.5

1

  • 不動産業界の幅広い業務を一気通貫でオンライン化できる使いやすさ。
  • 毎週高頻度で行われるアップデートが支持され、利用社数は15,000社を突破。
  • リアルタイムのポータル連動、LINEやチャットなどの自動追客機能。

製品詳細を見る

特徴
  • 賃貸・売買の両方に対応し、業態を問わず幅広く利用可能
  • ポータルサイトとの自動連携で、問い合わせデータを即時取り込み
  • 顧客管理と自動追客機能を備え、LINEやチャットを活用したフォローアップが可能
  • 広告分析機能で反響データを基にしたマーケティング戦略を強化
  • スマートフォンやタブレット対応で外出先からでもアクセス・営業活動が可能
  • 毎週頻度のアップデートと充実したサポート体制で常に最新の機能を提供
主な料金プラン プレミアム版(料金はお問い合わせください)
製品情報ページ https://www.itmedia.co.jp/itselect/product/151/

ノマドクラウド

特徴
  • 25以上の賃貸ポータルサイトと自動連携し、反響を即時取り込み
  • 顧客専用のマイページを提供し、物件検索や内見予約が可能
  • AIを活用した物件提案の自動化、LINEやSMSを使った追客機能で顧客対応を強化
  • 業務進捗管理や反響対応を自動化し、業務の効率化を実現
主な料金プラン 要問い合わせ
ベンダーのWebサイト https://lp.itandibb.com/crm/

プロポクラウド/Propo Cloud

特徴
  • 定期的に顧客に最新の物件提案メールを自動配信
  • 顧客の反応(メール開封時間や興味度など)を可視化し、営業を最適化
  • ホットリード機能でアクティブな顧客を絞り込み、優先的にアプローチ
  • 追客業務にかかる時間を80%削減し、営業活動に集中可能
主な料金プラン 要問い合わせ
ベンダーのWebサイト https://service.propo.co.jp/

    おすすめ    無料で使えるCRMツール11選

CRMの導入で不動産業務の効率化、顧客対応の最適化を図る

不動産業務の効率化を目指す企業にとって、CRMの導入は大きな一歩です。顧客情報の一元管理や追客業務の自動化、どこからでもアクセス可能なスマートフォン対応など、CRMが提供する機能は幅広く、営業活動を支える強力なツールとなります。自社に最適なCRMを選び、業務の効率化と顧客満足度の向上を目指しましょう。

「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「時間をかけずに効率的にサービスを検討したい」というご担当者様は、ぜひITセレクトの専門スタッフまでお問い合わせください。適切なIT製品・サービス選定を最後までサポートいたします。

専門スタッフへ相談

会社名必須
お名前必須
部署名必須
日中つながる電話番号必須
メールアドレス必須
ご質問・ご要望等任意

専門スタッフへのご要望を記載ください(例:2ヶ月後までに勤怠管理システムを導入したい 等)

ご確認事項

  • ご登録いただいた情報は、発注ナビ株式会社(以下「発注ナビ」といいます)が取得いたします。
  • 案件の詳細をお伺いするため、発注ナビよりご連絡差し上げる場合があります。

お申込みには、発注ナビ株式会社の「利用規約」「個人情報の取り扱い」及び発注ナビからのメール受信への同意が必要です。

医療CRM徹底解説 電子カルテ連携とセキュリティで選ぶCRM8選

「患者の予約管理が煩雑で、待ち時間も長い」「スタッフ間の情報共有がうまくいかず、患者対応に時間がかかる」。こうした病院やクリニックが抱える課題は、CRM(顧客関係管理)システムの導入によって解決できる可能性があります。 医療機関におけるCRMは、単なる患者情報の管理にとどまりません。予約システムの最適化、患者一人ひとりに合わせた情報提供、さらには電子カルテやレセコンとの連携による業務全体の効率化を実現し、医療サービスの質そのものを向上させます。 多忙な医療現場で成果を出すには、医療業界特有の要件(セキュリティや専門用語、業務フロー)に対応した製品を選ぶことも不可欠となるでしょう。本記事では、お […]

thumbnail

    VOC分析とは? 顧客の声を売上増へ活かすポイントを解説

    顧客のリアルな声をビジネス改善に活かせていますか?「VOC分析」とは、アンケートや問い合わせ、SNS投稿など、さまざまなチャネルから顧客の声を収集・分析し、サービスや商品力の向上に役立てる手法です。 本記事では、VOC分析の基本から期待できる効果、実践ステップや運用のコツまで解説します。顧客満足度やリピート率の向上、新規開発やマーケティング施策にVOCを活用したい方は、ぜひ参考にしてください。 この1ページでまず理解!CRMの主な機能、メリット/デメリット、選定ポイント|人気・定番・おすすめの製品をチェック VOC分析とは何かVOC分析で期待できる効果VOC分析の進め方VOC分析 […]

    thumbnail

      失敗しないCRMツールの選び方|全53製品から目的・規模別におすすめ製品を厳選比較

      顧客情報がExcelや個人の記憶に頼ったままで、営業の属人化や機会損失に悩んでいませんか? CRM(顧客関係管理)は、そうした課題を解決し、企業の成長を後押しする強力なITツールです。しかし市場には数多くの製品が溢れる今、「結局どれが自社に合うのか分からない」という声も少なくありません。 本記事では、数ある選択肢の中から「自社にとって最適なCRMを見つけ出す」ことを目的に、IT専門メディアの視点から「CRMの基本」から「失敗しない選び方の全ステップ」、「目的別に厳選したおすすめCRM製品」(全53製品/2025年11月時点)までを、1つのストーリーとして分かりやすく解説します。 無料でIT製品 […]

      thumbnail

        販促効果を高めるCRM活用術|おすすめツール5選と成功事例を解説

        「メルマガを一斉配信しているが、思うような成果が出ない」「新規顧客は獲得できても、リピートにつながらない」といった販促活動の課題をお持ちではありませんか。顧客のニーズが多様化する現代において、画一的なアプローチでは顧客の心を掴むことは困難です。そこで重要になるのが、CRM(顧客関係管理)を活用したデータに基づく販促戦略です。 本記事では、なぜ今CRMが販促に必要なのかという背景から、CRMで実現できる具体的なアプローチ、そして自社に最適なツールの選び方までを網羅的に解説します。販促に強いおすすめのCRMツール5選と成功事例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。 この1ページ […]

        thumbnail

          Excel管理はもう限界? 営業効率を劇的に上げる顧客管理システムのすべて

          「営業担当者によって顧客情報がバラバラ」「Excelでの管理に限界を感じている」——。そんな課題を抱えていませんか。市場が成熟し顧客ニーズが多様化する現代、画一的な営業手法では成果を出すことが難しくなっています。成功の鍵は、顧客一人ひとりの情報を正確に把握し、最適なタイミングでアプローチする「顧客管理」にあります。 本記事では、営業成果を飛躍させる顧客管理の重要性から、具体的な管理項目、Excelと専門ツールの比較、そして導入で失敗しないための選定ポイントまでを網羅的に解説します。強い営業組織へと変革する第一歩を踏み出しましょう。 この1ページでまず理解!CRMの主な機能、メリッ […]

          thumbnail

            カテゴリー関連記事

            関連記事をもっと見る

            この記事と同じカテゴリーの製品

            Mazrica Target
            クイックリレイズ
            GENIEE SFA/CRM
            Lark

            製品をもっと見る