ITセレクト powered by 発注ナビ

販売管理システムとは? DX対応「販売管理システム」の基礎知識と選び方、おすすめ製品6選

author
ITセレクト編集部

更新

SHARE
X
Facebook
LINE
はてなブックマーク

「この深刻な課題を解消したいがなんとかしてくれ」「来年の世界的イベントに間に合うよう、早く対策したい」「導入を検討しているが、自社の業務に合うツールかどうか、機能をきちんと備えているかどうかに不安がある」「まずはお試しで使ってみたい」……などのように社内からいろいろな声が上がり、販売管理システムの検討をし始めている企業も多いと思います。

この記事では、販売管理システムの導入で何が変わるのか、どんな効果を期待できるのかについて、システムの基礎機能、導入効果、選び方のポイントとともにおすすめ製品を紹介していきます。あなたの会社とビジネスに適する販売管理システムを見つけるための一助となれば幸いです。

販売管理システムの基礎知識

販売管理システムは、企業や店舗が製品・商品やサービスの販売プロセスを効率的、効果的に管理するためのIT製品です。以下より、「販売管理」業務とそのシステムの基礎、機能と役割、メリットや効果を簡単に解説していきます。

販売管理とは?

販売管理は、改めてですが企業活動に極めて重要な行程です。販売管理を適切に行うことで、製品・商品やサービスの販売行程を最適化し、結果として売上を最大化できます。

販売管理の基本プロセスは、顧客のニーズや世間のトレンドを理解し、購買の可能性がある見込み顧客(リード)を発掘し、既存の顧客およびリードから商談へと進展させ、商談、そして購買・受注へつなげることです。それぞれのフローで各顧客の情報を追跡、管理しつつ、顧客へ見積もりを提供したり、コミュニケーションを取ります。在庫の受発注や在庫レベルの確認、在庫の移動といった行程も発生します。

「販売管理システム」の目的は、これらの行程を「まとめて効率化する」ことです。

なお、販売管理システムは、販売化活動の戦略化に向けたIT製品カテゴリーとして「SFA(Sales Force Automation/営業戦略自動化)」あるいは「CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)に含まれることもあり、また、企業に必要不可欠な経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報を一元管理する統合システム「ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージ」に含まれることも多いです。販売管理もその一環として総合的に管理されます。

販売管理システムの導入メリット

販売管理システムによって、まずプロセスそのものの効率化が期待できます。

販売管理に必要なさまざまな情報を「データとして一元化」することで、これまで手作業/アナログ作業だった部分を自動化していけます。

在庫や注文、販売データなどもリアルタイムに管理できれば、自社も顧客も、意思決定スピードが高まります。顧客情報を一元管理することで「顧客それぞれ」のニーズを把握した上でサービスを提供できれば、顧客満足度の向上が期待できます。集約する販売状況をデータ分析できれば、将来の需要予測や販売戦略の改善といったことも即、高精度に実施できるようになるでしょう。

販売管理システムの導入事例

弥生顧客:アパレルメーカー「麗」

東京・日本橋にあるアパレルメーカー「麗」は長年日常業務を手作業で行っていましたが、その日1日に販売した商品をノートに分類登録するためだけに2時間もかかっていました。そこで同社は販売管理システムを導入。商品登録を行い、売り上げを計上するとともに、納品書や請求書の発行なども販売管理システム上で実現しました。これにより先のシーズンの商品戦略や企画というマーケティングや、取引先からの問い合わせにも対応可能になりました。

参考 RFM分析で優良顧客を見極めたアパレルメーカーのCRM活用(TechTargetジャパン)

Oracle Cloud Infrastructure:酒造メーカー「旭酒造」

日本酒「獺祭」の蔵元手ある旭酒造は、販売管理システムの強化のため「Oracle Cloud Infrastructure」を導入しました。これによりオンプレミスでのデータ管理からクラウド型へと移行。日本国内・海外の酒販売店や飲食店が利用する販売管理システムもクラウド上で利用できるようになりました。

参考 「獺祭」の旭酒造、販売管理システムを「Oracle Cloud」に移行 西日本豪雨の教訓でBCP強化(Cloud USER by ITmedia NEWS)

販売管理プロセスを最適化する方法

販売管理プロセスを最適化するためには、効率性、正確性、および柔軟性を向上させるためのさまざまな手法を採用することが重要です。ここではその方法について解説します。

在庫管理と効率化

在庫の最適化は資金を適切に使うために重要な行程です。在庫を適切に管理することで、キャッシュフローが正常化され、他の投資や運転資金に資金を割り当てることができます。在庫を適切に管理できれば、商品やサービスの需要に素早く対応できます。また過剰な在庫がなければ商品の陳腐化を避けられます。

JIT(Just-in-Time)は「ちょうど良いタイミングでちょうど良い量」を目指す在庫管理の手法です。必要な商品や材料が必要な時点で、必要な数量だけ生産・供給される仕組みです。JITにより在庫を最小限に抑え、生産プロセスをスリム化できます。在庫不足/過剰在庫が起こらないよう、できるだけ正確な需要予測が求められます。

在庫管理ツールにより、在庫管理や生産計画を一元化し、企業全体の効率を向上させられます。在庫のリアルタイムな追跡とともに、“ある段階になったら自動発注する”といった自動発注機能なども備えます。

注文処理と迅速な出荷

注文処理の行程は、注文フローの最適化がやはり効率化につながります。注文受付から発送までのプロセスを自動化し、人的ミス/手動エラーをできるだけ減少させる手法が有効です。注文処理を販売管理システムに任せるには、データの一元管理、情報の整合性の確保がとても重要になります。

出荷プロセスも販売管理システムでの自動化が望めます。例えば、倉庫での商品ピッキングとパッキングプロセスの最適化が挙げられます。自動仕分け装置やロボット技術などによる作業プロセスとともに、やはり人的ミス/手動エラーをできるだけ排除することを軸にすることで効率化が望めます。

データ分析と売上予測

販売管理においては、「自社の資産である蓄積データ」だけでなく、ビッグデータなど使用し、顧客の購買やオンライン行動予測を分析して得られた情報を積極的に活用することで成果を上げる企業も増えています。

例えば、「今現在の」「1月1日15時の」「世界的なスポーツ大会がある日の」などといったような、ごく特定の顧客ニーズを把握し、その獲得に向けて戦略化することも可能となります。

需要予測はBI(Business Intelligence)など別のツールを用い、市況、天候、季節、時事などの多様なデータを取り入れて予測モデルを構築し、分析することで得られます。

専門スタッフに相談する

おすすめ販売管理システム6選

販売管理システムは、業種や規模別にさまざまな製品があります。ここでは一例として、「まずは試用して確かめたい」「できるだけコストを抑えて導入したい」「まとめてDXを実現したい」企業に向け、業種別おすすめ製品を紹介します。(製品名abcあいうえお順)

Sanka

logo
  • 50%以上の作業時間短縮を実現。多くの自動化機能で楽に効率化
  • 圧倒的な使いやすさを実現。IT知識がなくても簡単に導入・活用
  • 70%以上のコスト削減実績多数。是非他社製品と比べてみてください

製品詳細を見る

特徴 販売管理、CRM、SFA、MA、受発注管理などの機能を含み、まとめて自社業務のDX化を実現したいと考える企業向けの「オールマイティー型」システムです。

 

Scalebase

特徴 Scalebaseは「サブスクリプション業務」向けの販売・請求管理システムです。プライシング設計、商品管理、顧客管理、契約管理、請求管理、指標分析、前受金管理、仕訳作成など業務オペレーションが一元管理できます。
ベンダーのWebサイト https://scalebase.com/

 

助ネコ EC管理システム

特徴 助ネコはクラウド型の「EC」向け一元管理システムです。楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonなど、複数のネットショップ(通販サイト)と実店舗をまとめて管理できます。主な機能は、「助ネコ受注管理」「助ネコ商品登録」「助ネコ在庫管理」「助ネコ発注管理」などがあります。

価格は初期費用が3万円から。月額料金はLite月契約が2000円/月、ベーシック版が1モール1万500円/月、2モール以上が2万円/月、ベーシック版1年契約が4万円/月、Plusが1年契約で8万円から。一定の件数まで月額料金内で利用できます

ベンダーのWebサイト https://www.sukeneko.com/

 

注文販売[M2O]

logo

注文販売[M2O]

オーバルテクノロジー株式会社

  • 入金処理、支払処理は一括で自動処理
  • 収支の予測が、リアルタイムに可能に
  • 組合せ自在、フルカスタマイズ可能

製品詳細を見る

特徴 「販売業」向けに、見積書、発注書の発行、受注から納品の管理、請求書の発行、入金消込、仕入れ、在庫管理まで一連の機能を含めた製品。各機能をカスタマイズでき、特殊な注文方法や業績管理方法などにも対応可とする特徴があります。

 

通販Best

特徴 「通販Best」はECサイト・電話・FAXからの注文を一元管理し、受注や出荷などの煩雑な業務を効率化する通販会社向けの顧客・販売管理システムです。楽天市場やYahoo!ショッピングなどの受注情報を自動的にデータベース化し、通販Bestへ迅速に取り込むことで、受注業務をスピーディーに行えます。

価格はスタンドアロン版で70万円、ピア・ツー・ピア版で120万円、サーバ版で150万円、クライアント1つあたり15万円、Light版で30万円となっています。

ベンダーのWebサイト https://best.c-rcs.jp/

 

弥生販売

特徴 弥生販売は、特に中小企業向けに開発された販売管理ソフトウェア(デスクトップ型)です。小規模なビジネスから中規模なビジネスまで広く利用されています。弥生販売はクラウドベースのサービスも提供しており、インターネットを通じてデータのやり取りが行えます。これにより、複数の拠点やモバイル環境からもアクセスが可能です。機能としては、取引先の管理、商品・在庫の管理、売上管理、請求書発行など、販売業務に関わる基本的なものが網羅されています。弥生販売は、同社が提供する経理ソフトである「弥生会計」との連携が可能です。これにより、販売データと経理データをスムーズに連携させ、業務全体の効率向上が図れます。

弥生販売は30日間の無料体験ができるほか、セルフプランは1年間無料です。その後のトータルプランは、スタンダードで2万6950円、プロフェッショナルで3万7500円、プロフェッショナル2ユーザーで4万3750円です(いずれも税抜、1年間の価格)

ベンダーのWebサイト https://www.yayoi-kk.co.jp/

 

販売管理システムで商品・在庫管理を効率化+DX化を目指しましょう

販売管理システムは、商品や在庫の効率的な管理、注文処理、請求書作成、売上データの追跡の「行程」を効率化します。これにより業務プロセスの合理化やリアルタイムな情報管理を実現し、効果的な販売戦略の展開が可能となります。

「自社に合うIT製品・サービスが分からない」「時間をかけずに効率的にサービスを検討したい」というご担当者様は、ぜひITセレクトのコンシェルジュサービスまでお問い合わせください。適切なIT製品・サービスのご紹介や各種資料をご提供します。

(執筆:合同会社伝心)

専門スタッフへ相談

会社名必須
お名前必須
部署名必須
日中つながる電話番号必須
メールアドレス必須
ご質問・ご要望等任意

専門スタッフへのご要望を記載ください(例:2ヶ月後までに勤怠管理システムを導入したい 等)

ご確認事項

  • ご登録いただいた情報は、共同事業者である発注ナビ株式会社(以下「発注ナビ」といいます)が取得いたします(発注ナビはアイティメディア株式会社(以下「アイティメディア」といいます)の100%子会社です)。また、各種ご連絡のため、アイティメディアにお客さまのお名前とメールアドレスほかの登録情報を電子ファイル等で提供します(アイティメディアにおける個人情報の取扱いについては「プライバシーポリシー」ページをご確認ください)。
  • 案件の詳細をお伺いするため、発注ナビよりご連絡差し上げる場合があります。

お申込みには、発注ナビ株式会社の「利用規約」「個人情報の取り扱い」及び発注ナビからのメール受信への同意が必要です。

販売管理システムの機能一覧|基本機能から業種別の選び方まで徹底解説

「各部門で使っているExcelの書式がバラバラで、データの集計に膨大な時間がかかる」「在庫数がリアルタイムに分からず、機会損失や過剰在庫が発生している」。販売管理は、見積から受注、売上計上、請求、入金管理まで、その業務範囲が広く、複数の部署にまたがる企業の根幹をなす活動です。それだけに、多くの企業がアナログな管理に課題を抱えています。 販売管理システムは、こうした販売業務全体の流れを一元管理し、データを連携させることで、業務の効率化と経営判断の迅速化を実現するITツールです。 本記事では、「どんな機能があるのか知りたい」「自社にはどの機能が必要か分からない」という担当者の方へ、販売管理システム […]

thumbnail

    販売管理システム移行ガイド|失敗しない計画・手順と製品選び

    「今の販売管理システム、動作は遅いが業務は回っている」「サーバの保守費用が年々重荷になっているが、入れ替えはもっと大変そうだから」──。多くの企業で、販売管理システムの老朽化は見て見ぬふりをされがちな経営課題の一つです。しかし、時代遅れのシステムは、気づかぬうちに企業の競争力を蝕み、DX(デジタルトランスフォーメーション)の波に乗り遅れる原因となります。 本記事では、販売管理システムの移行を成功させたいと考えている経営者やプロジェクト担当者の方へ、具体的なロードマップと実践的な知識を提供します。多くの企業が陥りがちな失敗シナリオから学ぶことでリスクを回避し、自社の未来を切り拓く、戦略的なシステ […]

    thumbnail

      販売管理システムおすすめ34選を比較|機能・費用・注意点、失敗しない選び方を解説

      販売管理とは、「誰が」「いつ」「何を」「いくらで」売り、代金を受け取るかといった、「モノ」と「お金」のすべての流れを、受注から納品・請求・入金まで一貫して可視化・管理する業務と仕組みを指します。従来は紙帳票やExcelでの運用が中心で、たとえば営業担当Aさんにしか分からない転記作業や、別部署との情報にズレが生じるケースも多く見られました。その結果、転記ミスや営業実績の把握遅れが起き、経営判断にも影響が及ぶことが少なくありません。 こうした課題を根本から解決するのが「販売管理システム」です。見積・受注・売上・請求・入金消込といった基本機能を核に、在庫・購買・顧客管理、売上分析などの拡張機能も備え […]

      thumbnail

        中小企業向け販売管理システムおすすめ7選|主な機能と導入メリット、クラウド型製品の選び方を詳しく解説

        中小企業が競争力を高めるためには、販売管理の効率化が非常に有効です。これを実現するIT製品が「販売管理システム」です。さまざまな事情から新たなシステムの導入へ踏み切れない状況にある企業も多くあるはずですが、中小企業に適する販売管理システムによって、多くの中小企業が直面する販売管理の課題を解決し、業務効率を向上させることが期待できます。 この記事では、販売管理に課題に据える中小企業に向け、中小企業に適する販売管理システムの主な機能と導入メリット、そして具体的な製品の選び方を詳しく解説します。あなたの会社とビジネスに適する販売管理システムを見つけるための一助となれば幸いです。 「自社に合う製品が分 […]

        thumbnail

          クラウド販売管理システムの選び方 費用相場と主な種類、導入メリット、おすすめ製品6選

          販売管理システムとは、商品の仕入や製造、売買にともなうお金の流れや在庫の変動を管理するためのシステムです。企業が収益を得るためのお金と消費の動きを一元管理し、マーケティングや財務分析などさまざまな領域で活用できるデータを抽出します。 商品別の在庫管理や売買予測、特定の業種特有の商慣習への対応など、さまざまな管理を行いたい企業のニーズに答える販売管理システムは、どのように導入すればいいのでしょうか。今回は販売管理システムの種類と相場、導入メリット、導入事例、そしておすすめ製品をご紹介します。 クラウド販売管理システムの基礎知識販売プロセスを最適化する方法クラウド販売管理システムを活用した「より顧 […]

          thumbnail

            カテゴリー関連記事

            関連記事をもっと見る

            この記事と同じカテゴリーの製品

            Flexi
            DecERP
            GMOクラウドEC
            アシストーン

            製品をもっと見る