既報の通り、Microsoftのビル・ゲイツ氏は、International CESの基調講演の中で、MSNサービスの大幅な拡張をアナウンスした。同氏によると、この改良は「MSNのサービスが始まって以来、最大のもの」になるという。
企業向けポータルソリューションを思い起こさせる、柔軟性に富んだWebパーツを元にしたユーザーカスタマイズ機能を持つことになる、無料のMSNポータルは、あまたあるコンシューマー向けポータルの中でも、特に強力なものになりそうだ。
しかし、注目はやはり有料の「MSN Premium」サービスだろう。新しいMSNクライアントを用いたMSN Premiumサービスでは、McAfee製のセキュリティソフトが統合され、ウイルス対策機能や、個人向けファイアウォール機能などが利用できる。
また、一部報道でInternet Explorerに搭載されると報道されていたポップアップウィンドウの抑制機能は、MSN Premiumの機能として提供される。単にポップアップウィンドウを抑制するだけでなく、ポップアップウィンドウの内容を数秒間だけ縮小表示。必要なポップアップと不要なポップアップをユーザーが画面上で判断できるようにする。
またMSN Premiumで提供されるWebアルバム機能を、HotmailやMSN Messengerと統合している。例えば多数の写真を電子メールで送信する際、これまでは解像度を落としてサイズを小さく機能などが実装されていたが、それではコンテンツの持つ品質をそのまま伝えることができない。
そこで画像を添付してメールすると、自動的にMSNのWebアルバムに画像をアップロード。Webサービスを通じて他ユーザーと画像データを共有可能にする。またWebアルバムにMSN Messengerの中からアクセスし、共有画像を見ながらチャットすることもできる。Webアルバム自体のユーザーインタフェースや機能も大きく改善されているため、提供される容量次第では、なかなか便利な機能として利用できそうだ。
またWindows Media 9 Seriesを活用した、高品質のビデオコンテンツサービスを提供することも発表している。
そしてもうひとつ、MSN Premiumユーザーに提供される“ボーナス”がある。それは「MSN Outlook Mail Connector」だ。
MSN Outlook Mail Connectorは、Outlookのフル機能を個人ユーザーが活用できるようにするためのMAPIサービスプロバイダ。OutlookはExchangeと共に使われるように設計されており、通常のSMTP/POPメールのクライアントとして利用する場合には、メールボックスやスケジュール、アドレス帳などのオフライン同期機能をはじめ、いくつかの機能を利用できない。
MSN Outlook Mail Connectorをインストールすると、OutlookにExchangeとは別にメールサービスが登録され、Outlookを通じてHotmailにアクセス可能になる。これだけならばこれまでにも存在したが、今回のコネクタはExchangeとほぼ同等の機能がインターネットを通じて提供される。企業向けのExchangeサーバの機能をコンシューマー向けにアレンジしたサブセットのイメージだ。
通常の利用では、Exhcnage+Outlookとほぼ同じ体験を、Exchangeなしで実現できる。Hotmail側で管理する仕事リストやスケジュールデータ、そしてもちろんメールデータを同期させることももちろん可能になる。
これらのMSNの一連の改良は、.NET技術のコンシューマー向けサービスへの応用とも言えるだろう。
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