2004 International CES初日の基調講演を行った松下電器産業AVC社の大坪文雄社長は、現在、標準規格となっているHome Plug規格を10倍以上の速度に拡張した「Home Plug AV」を発表した。最大170Mbpsの速度を、電源コンセントにアダプタをつなげるだけで実現できる。2MHz〜30MHzの帯域を利用する。同周波数帯にはアマチュア無線が利用する帯域もあるが、その帯域を避けることで干渉を防いでいる。
今後はこの松下電器の技術を元に標準規格の策定が進められる見込み。同社では、今春には標準規格を確定させ、年末にはHome Plug AVを搭載した製品を米国で販売したいとしている。
同様の仕様は日本でも使えるようになる予定だ。国内ではまだ利用できない周波数帯もあるが、近く総務省から実験用に周波数帯の利用認可が下りる見通しだという。2005年第1四半期の国内投入を目標に作業を進める。
この新しい技術では実効帯域も60%程度あり、規格内にはQoS機能も規定され、フルHDフォーマットのストリームはもちろん、複数の映像ストリームを同時に流すことも可能になるという。松下電器はワイヤレスソリューションとともに、Home Plug AVを自社製品に積極的に採用することで、通信ラインを必要としない次世代ホームAVネットワークの構築を目指す。なお、基調講演の詳報は追って掲載する予定。
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