1月27日、セキュリティベンダーのトップ企業として順調に売上を伸ばしているシマンテック・コーポレーションの社長兼COO(最高執行責任者)のジョン・シュワルツ氏が来日、同社の経営戦略を説明した。
昨今の不況を受けて全般的にIT関連への投資が差し控えられているのに対し、インターネットセキュリティ分野における2001年から2002年にかけての年平均成長率は19%と増加しているという。その理由として考えられるのはブロードバンド化が進み、個々のPCがネットワークに接続されていることがあげられる。実際、1990年代はWeb書き換えや単発DoS攻撃などのハッキングが主流だったのが、最近はEメールを媒介とする感染やネームサーバへの攻撃など、複合的な脅威へと変化している。また、ウイルスの感染スピードも早くなっていることも特徴のひとつだ。
同社では、これまで蓄積された膨大なデータをもとに、OSの未発見の脆弱性をつくようなワームなどを予測、大規模なウイルス感染を未然に防ぐ努力をしていく。その一方、個人個人に対しても、セキュリティ対策の必要性を訴えた。同社調べによると、家庭へのPC普及率は従来よりも高くなっているが、約半数はセキュリティに対して何ら対策を施していないという。
特に、日本は他国よりもブロードバンド普及率が高いにもかかわらず、セキュリティ意識は低いようで、「脅威があることをもっと認識して警戒すべきだ」と主張する。家庭にあるPCも企業にあるPCも、ネットワークで接続されていることは変わりない。知らないうちに踏み台にされていたといったことがないように、各個人の意識を高める必要がありそうだ。
なお、21日発表された同社の第3四半期決算によると、売上高は前年同期比で31%増の4億9,400万ドル。その結果、今年度業績見通しを18億2,000万ドルに上方修正している。なお、日本の成長率(前年同期比)は36%。
Special
PR