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クライテリオン、統合ゲーム開発環境「RenderWare Studio」を発売

» 2004年02月04日 16時22分 公開
[RBB Today]
RBB Today

 クライテリオン・ソフトウェアは、同社の映像・音響ミドルウェアやシミュレーションエンジンを統合した「RenderWare Studio」(RWS)を2月7日より発売する。バージョン管理エンジンにエイリアンブレインを採用、ゲーム開発中の試行錯誤がより行いやすいなどの特徴がある。

 RWSには、2D/3Dグラフィックスミドルウェアの「RenderWare Graphics」、3D Audioミドルウェア「RenderWare Audio」、物理エンジン「RenderWare Physics」、CPUキャラクタ用AIエンジン「RenderWare AI」の4つのミドルウェアおよびエンジンが統合されている。これらのミドルウェアをチームメンバーのコミュニケーション機能や、バージョン管理可能なアセット(ソースコード・画像・音声 etc.)管理機能で統合することで、大きなプロジェクトでのゲーム開発をよりスムーズに行えるようになっている。なお、ネットワーク(オンライン)機能に関するミドルウェアは、今回のリリースでは含まれない。

 クライテリオンでは、16ヶ月2億円のプロジェクトで7,000万円以上のコスト改善が可能になると試算している。RWSを知らないゲーム開発者がツール習熟に要する期間については、(人にもよるが)2ヶ月でだいたい習熟、4〜6ヶ月でひととおり使えるようになるとのことだ。

 価格は1プロジェクトあたり2,800万円。サポートレベルを維持するため、初年度販売数が10本に限定されているが、現在すでにゲーム会社での評価が行われており、上半期のうちに7〜8割(7〜8本)が販売される見通しだという。

 なお、RenderWare Graphicsなど従来から販売されているミドルウェア製品については、そのまま販売は継続される。

 クライテリオン・ソフトウェアは、1993年にキヤノンヨーロッパから分社して設立されたキヤノンのグループ企業(日本法人は2002年立)で、家庭用ゲーム機やPCを対象とするゲーム開発用ミドルウェアベンダ。

ゲームデザイナーは、Windows上で画面を見ながら各種パラメータを調整したり、オブジェクトを配置したりしながらゲームを動かしてみることが可能。画面はレースゲームでコースにジャンプ台を置いているところ。コードを直接編集していると数日かかる作業が、数分で可能になるという
発表に同席したドワンゴ取締役の浅井敏典氏(右)は、新作MMORPG「ストラガーデン」でのRWS導入のメリットとして、早期に試作ができて、チーム内でのゲームに対するイメージ統一が早い段階で可能となったことなどを挙げた。ただ、浮いた時間はゲームの本質的なところの作り込みに使ったため、必ずしも期間短縮していないとのこと