「超合金」は男の子の憧れの玩具である。亜鉛合金製で“ずしり”と重く、ミニチュアとはいえ巨大ロボットを手にしているような満足感に浸らせてくれる。超合金をたくさん持っている子どもは一種のブルジョアで、周囲から羨望と嫉妬の視線を集めていたものだ。
その超合金の生誕30周年を記念して、「CHOGOKIN<超合金> EXPO.2004」がラフォーレ原宿で開催中だ。「1974年から2004年まで30年間に誕生した約400点以上の<超合金>が大集合する最初で最後のスペクタクル・エキシビジョン」(主催のバンダイ)。これは行かねば。
展示のメインは、やはり過去30年間に発売された400点以上の超合金だ。1974年に登場し、製品名の由来にもなった「マジンガーZ」はもちろん、ライディーン、仮面ライダー、ガンダム、エヴァンゲリオン、はてはロボコンやガンツ先生まで、それぞれの時代を代表するヒーロー達が勢揃い。
一方、企画展示では、7組のアーティストが超合金をモチーフにして制作したオリジナルキャラクターをはじめ、超合金が製品として完成するまでの工程をすべて実物で解説するコーナー、さらには建築会社が最新技術を使って設計した「光子力研究所」の模型などが並んでいる。
中でもオススメは「超合金Z」と「ルナ・チタニウム合金」のサンプル展示だ。こちらも専門家が設定上の特性などを考慮し、科学的に“それなり”の根拠を持って試作したもの。嬉しいことに、来場者は触れることができる。
超合金Zといえば、言わずと知れたマジンガーZの素材。「ジャパニウム」と呼ばれる鉱石から精製したという設定で、とにかく固いのが特徴だ。ちなみに、グレートマジンガーの「超合金ニューZ」、アフロダイAの「合金Z」も、すべてジャパニウム鉱石から精製されるらしい。
一方の「ルナ・チタニウム合金」は、ガンダムの装甲に使われている金属の名前だ。ガンダムの素材といえば「ガンダリウム」だと憶えている人も多いだろうが、実は月面産のチタニウムを使った「ルナ・チタニウム合金」が正式名称。ガンダムに使われたことで有名になり、後にガンダリウムと呼ばれるようになった、というのが正しい設定らしい。
ちなみに、ガンダリウムはレアメタルを多く含み、コストの問題から一年戦争時の量産型モビルスーツには使用できなかった。ザクやドムが簡単にやられてしまう背景には、そんな経済的な事情もあったのだ。
涙を誘うトリビアを披露したところで、実際に触ってみよう。超合金Zはかなり比重が高い金属で、とにかく重い。色は黒く、「黒鉄の城」を構成するに相応しい風格を備えていた。一方のルナ・チタニウム合金は、若干シルバーがかった色で、超合金Zよりずいぶん軽い。時代とともに、架空の金属も進歩していることが伺える。
興味が沸いてきた人は、是非自分の目と手で確かめてほしい。「CHOGOKIN <超合金> EXPO.2004」の会期は5月5日まで。入場料は一般700円、学生500円、小学生以下は無料となっている。
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