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» 2004年04月27日 21時48分 公開

“液晶のシャープ”、さらに色濃く

シャープが2003年度の好調な決算を発表。過去最高額の売上高&利益に大きく貢献した“液晶”は来年度も引き続き注力するほか、リアプロやBlu-ray Disc+HDD複合機など新規展開にも重点を置くという

[西坂真人,ITmedia]

 シャープは4月27日、2003年度(2004年3月期)の決算を発表。売上高は2兆2572億7300万円(前年度比12.7%増)、営業利益は1216億7000万円(同22.3%増)、当期純利益は607億1500万円(同86.3%増)となり、売上高と利益の両面で過去最高額を記録するなど好調な業績を示した。

 過去最高の好決算に大きく貢献したのが“液晶”だ。

 エレクトロニクス製品ではAV・通信機器部門が好調に推移し、中でも液晶TV(10インチ以上)が大きく伸長。対前年度比でほぼ倍増(95.5%増)となる1737億円の売上高を記録した。また、電子部品でも主力の液晶が対前年度比24.3%増の5288億円と、好調な売上高のけん引役となった。そのほかでは、カメラ付き携帯電話の需要増に合わせて携帯電話本体やCCD/CMOS/フラッシュメモリなど関連部品が好調に推移したほか、太陽電池関連も伸びた。

 佐治寛副社長は好調な業績と今後の事業展開について「液晶TVは当初計画していた1600億円を大幅に上回る好調さで、特に金額ベースで増えているのが特徴。これは液晶TVの大型化が大きく寄与している。2004年は台数ベースで2倍の300万台、売上高で3000億円を液晶TVで見込んでいる。22型以上の大型液晶TVの構成比(台数ベース)は2003年度が24%だったが、2004年度はこれを45%にまで拡大する方針」と語る。

photo 好調な業績と今後の事業展開について語る佐治寛副社長

 大型液晶TVの生産拠点として、今年1月に三重県の亀山新工場が本格稼動しており、大型化シフトに向けた生産体制も強化。パネルからセットまで一貫した生産で、液晶TVの大型化を加速させる構え。同社は今後も液晶を中心にした事業展開を行う方針で、2004年度の設備投資2200億円のうち、半分以上の1300億円を液晶関連に当てる予定だ。

 「液晶パネルの2004年度売上げは7300億円(前年度比38%増)を見込んでおり、大型液晶TVの構成比を35%から2004年度は45%に上げていく。亀山新工場は順調に立ち上がっており、液晶パネルの需要も堅調。フル稼働状態が今後も続くのではとみている」(佐治副社長)

45インチ以上はリアプロで対応。BD+HDDハイブリッド機も投入?

 好調な液晶事業の一方で、冷蔵庫/エアコン/電子レンジといった白モノ家電や、PC/複写機といった情報機器は、2003年度は前年度比ダウンもしくは横ばいの実績となっており、2004年度も横ばいの売上予想がたてられている。

 液晶以外の重点製品について佐治副社長は「米国市場など45インチ以上のTVが中心となるマーケットには、プラズマを持っていない当社はプロジェクター(リアプロジェクションTV)をやっていく予定。また、Blu-ray DiscとHDDの複合機にも力を入れていくなど、さまざまな製品展開で伸ばしていきたい」と述べる。

 先日行われた亀山工場での発表会でも、同社町田勝彦社長がリアプロ発売の方針を述べ、表示デバイスは米Texas Instrumentsから調達する可能性が示された。「技術面/コスト/性能などを考え、表示デバイスはDLPが現時点では1番有望とみている」(同社)

photo 同社が昨年10月のCEATECで参考出展したBlu-ray Discレコーダー試作機

 今後も液晶事業に傾倒していく同社だが、近年は韓国・台湾メーカーの台頭も目覚しく、液晶全体の生産量増加から今後は厳しい価格競争に巻き込まれるのではとの懸念も聞かれる。

 「液晶はガラスなど材料が慢性的に不足しているので、韓国・台湾メーカーの供給が大きく増えるとは思わない。また、大型液晶TVは従来のブラウン管からの買い替え需要が中心となるので、需要は今後も堅調に推移していくとみている。そして、明るく高精細なパネルを開発するなど、技術面でもまだまだ競争していく構え」(佐治副社長)

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