無線LANを導入してパソコン周りはすっきりしたとしても、HDDレコーダーなどネットワーク対応家電を導入している人にとっては、今度はリビングでLANケーブルに頭を悩まされることもあるかと思う。
その解決策となるのが、ネットワーク対応家電のワイヤレス化だ。具体的には、有線のネットワークインタフェースしか持たない機器に、有線/無線のLANを変換するコンバータ機能を持つ機器を接続してやればよい。
今回は無線LANのアクセスポイントとしてはもちろん、有線/無線のLANを変換するコンバータとしても機能するプラネックスコミュニケーションズの「GW-AP11SP」(参考価格7140円)を利用して、ネット家電のワイヤレス化を実現してみよう。
本製品は無線規格としてIEEE802.11bに対応。一般的なアクセスポイントとしての機能や、有線/無線LANのコンバータとして機能させる「イーサネットコンバータ」機能のほか、アクセスポイント間通信機能も備える(AP間通信機能については、本製品同士のみのサポート)。
背面には10/100BASE-TXのLANポートを2ポート備えており、LANポートが1つしかないルータ機能内蔵型ADSLモデムなどと組み合わせた場合、有線/無線のLANを同時に構築できるなどのメリットがある。
有線/無線LANのコンバータ機能を持った製品は既にいくつか登場しているが、そうした製品はLANポートを1基しか持たない製品が多い。
TVやHDDレコーダー、BBUnitを搭載したPlayStation2など、ネット対応家電は増えている。本製品は2つのLANポートを持っているため、一度に2台の家電を無線化することが可能。そのメリットは大きい。
セキュリティ機能としては、64/128bitのWEP機能、MACアドレスフィルタリング、WPA、ESS-IDステルスなどを備える。接続可能なクライアント数を1〜64の間で任意に設定できるため、接続過多による速度低下などを防ぐこともできる。
イーサネットコンバータとして本製品を家電と接続して使用する場合には、事前にPCで設定を行う必要がある。設定画面の「無線設定」の「ネットワークタイプ」から「イーサネットコンバータ」を選択し、その際には「ネットワークタイプ」の設定も確認しておこう。
既にアクセスポイントを導入した無線LANを構築しており、そこに無線化した家電を加えるのならば、「インフラストラクチャ」モードを選択する。また、既に構築したLANを介さずに運用したい場合には、「アドホック」モードを選択する。
なお、アドホックモードで運用する場合には、チャネルも双方で同じ番号にあわせておくことを忘れずに。
それでは、実際にHDD搭載DVDレコーダー(東芝 RD-XS41)と本製品を組み合わせた例を紹介しよう。
RD-XS41は、160GバイトのHDDとDVD Multiドライブを搭載したハイブリッドレコーダー。録画ナビゲーション「録画ナビ」、編集機能「編集ナビ」のほか、PCからの操作が可能な「ネットdeナビ」を備える。
ネットdeナビを利用することによって、録画済み番組のタイトル情報編集やメニューの編集をPCから行うことができるほか、インターネットに常時接続されている環境であれば、メールでの番組予約やiEPGによる番組予約も可能になる。
PCもしくはルータとの接続について、説明書にはEthernetケーブルで接続するように書かれているが、リビングに置かれることの多いレコーダーと、モデムやハブが設置されている場所は離れていることが多く、長距離のケーブルを引き回すことになりがち。これをGW-AP11SPで解消しようというわけだ。
接続そのものは非常に簡単。先にPCで「イーサネットコンバータ」モードに設定し、SSIDなどの設定を済ませたGW-AP11SPをRD-XS41と接続、あとはRD-XS41側での設定を行えばよい。
RD-XS41の側では、初期設定メニューから「管理設定」「ネットワーク設定」を選択し、説明書に書かれているようにIPアドレスなどの設定を行えばよい。この際、既にあるLANに組み込むか、組み込まないかでDHCPなどの設定が異なるので、そこは利用する環境に合わせた設定を行ってほしい。
設定を終えたならば、RD-XS41を再起動すればOK。ノートPCを使えば、ソファなどから番組予約やHDDに録画したライブラリの編集を行えるのは非常に快適。リモコンでも同様の操作は可能だが、ライブラリ編集などに関しては、やはりPCで操作する方が格段に便利だ。
本製品の同社通販サイト「プラネックスダイレクト」における販売価格は7140円(税込み)。単純な無線LANコンバータとして考えるならば、やや割高に感じられるかもしれないが、アクセスポイントとしての機能も備えた複合機であることを考えるとそう割高感はない。
無線LANコンバータとして家電と接続することだけを考えるならば、事前にPCと接続して設定を行う必要があるために「つなぐだけ!」という簡便さがないのは残念だが、LANケーブルをリビングから追放できる爽快感は無線ならではのもの。
アクセスポイントとしての機能も備え、家電と組み合わせることによってリビングのワイヤレス化をはかれる本製品。アクセスポイントの導入を考えている人はもちろん、リビングからLANケーブルを追放したい人にはお勧めの製品といえるだろう。
製品名 | GW-AP11SP |
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サポート規格 | IEEE802.11b、ARIB STD-33/STD-T66 |
無線伝送方式 | DS-SS(直接拡散型スペクトラム拡散方式) |
有線サポート規格 | 10/100BASE-TX |
インタフェース | LAN×2(10/100BASE-TX)、アンテナ |
セキュリティ機能 | 64/128bit WEP、MACアドレスフィルタリング、ESS-IDステルス、WPA(認証方式:802.1x/EAP-MD5・TLS、PSK、暗号化プロトコル:TKIP) |
サイズ | 90(幅)×134(奥行き)×29(高さ)ミリ |
重さ | 150g |
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