従来はPCに限られていた「VAIO」ブランドの枠を拡げ、PCと連動するさまざまなネットワークAV商品を取り込んでいくソニーの「Do VAIO」コンセプト。その商品化第1弾が、約20GバイトのHDDを内蔵したモバイルプレーヤー「VAIO Pocket」(VGF-AP1)だ。
発売は6月5日の予定だが、試作機をソニーから借りることができたので、早速使ってみた。なお、開発途中の試作機のため、一部検証内容に制限があることを先にお断りしておきたい。
まずは特徴的な外観から。黒を基調にしたデザインは精悍なイメージだ。約26万色表示が可能な2.2型カラー液晶は、明るく鮮やかで、GUIも見やすい。その横にあるイボ付き(?)の四角い枠が、VAIO Pocketの特徴でもある新しいユーザーインタフェース「G-sense」(ジー・センス)だ。
本体サイズは、115.2(幅)×63.3(高さ)×17.2(厚さ)ミリだが、最も厚い部分は27ミリある。これは、片手で持ったときでも安定するよう、背面に凸部を設けているため。ここに指をかければ、親指で「G-sense」を操作できる。
G-senseは、タッチパッドの“滑らせる”操作と、ボタンの“押す”動作を両立させたユニークなポインティングデバイスだ。パッドの上に縦横5個ずつ計25個の薄型ボタンを配置し、その上で指をスライドさせれば選択位置の移動、目的の項目に合ったところでプッシュすると“決定”する仕組みになっている。
また、パッドの右端に触れると、再生・停止、ボリュームアップ/ダウンといった基本操作のウインドウが開き、左端を触ると“戻る”などのメニューがポップアップする。さらに一番右側のボタン一列には「再生」「停止」といった基本操作が割り当てられており、ダイレクトにボタンとして使うこともできる。
“滑らせた指で、そのまま押し込む”という動作に、最初は違和感をおぼえるが、パソコンのトラックパッドに慣れた人ならすぐに使いこなせるはず。選択部分の動きも軽快で(調整も可能)、ジャンルやアーティスト名から楽曲を“絞り込み検索”するときも不自由はない。
ただ、片手で操作するときは、本体が横向きであるだけに重さを感じ、落とさないかと不安になる。指を滑らせるときは、本体を持つ力を抜かなければならないからだ。好き嫌いはあると思うが、個人的には、iPodなど縦型ボディのほうが扱いやすいと感じた。
もっとも、VAIO Pocketはリモコンでも基本操作と検索が行えるため、無理に不安定な体勢でG-senseを使う必要はない。外出時はリモコンで、自宅や会社ではG-senseといった具合に使い分ければいい。
VAIO Pocketで再生できる楽曲ファイル形式は、ATRAC3とATRAC3plus。MP3/WAV/WMAのファイルは、付属ソフトを使って変換&転送する。また、JEPG画像の閲覧も可能だ。
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