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「プロジェクトX」や大河ドラマも――BBTV、NHKの番組コンテンツのVOD配信を7月スタート

» 2004年05月26日 21時42分 公開
[ITmedia]

 ソフトバンクBBの回線を利用し、放送やVOD(ビデオオンデマンド)などを行う「BBTV」の運営会社、ビー・ビー・ケーブルは、日本放送協会(NHK)が保有する映像コンテンツをVOD方式で提供することで合意したと発表した。

 提供対象となっているのは、「プロジェクトX」や「その時 歴史が動いた」「御宿かわせみ」「大地の子」など計200本。具体的な番組は未定だが、大河ドラマなども配信する予定。商用トライアルという形での実施で、1番組は150円から290円(税込み)で購入できる。

 この商用トライアルは2004年度内に2回に分けて行う予定で、1回目は7月1日開始予定で9月30日まで。2回目は未定だがやはり3カ月間程度実施する。その結果を検討して本サービスに入るかどうかを協議することになるという。サービスはMPEG-2の2Mbpsというクオリティで実施する。

 今回のNHKの番組配信はあくまでもトライアル”だが、“商用”ベースでサービスが実施される意味は小さくない。これがきっかけに放送局の制作した過去の映像コンテンツをIPネットワークで活用するきっかけになる可能性があるからだ。

 放送局が制作した番組をIPベースのネットワークを使い、VODやストリーミングなどで配信する場合、著作権者に改めて許諾を得る必要がある。豊富な映像資産を持つ日本の放送局がこれまでVODなどに対し後ろ向きだったのは、過去の番組を配信しようとすると、複雑な権利処理が発生し、その手間やコストに見合うだけの収入がとても見込めなかったからだ。なんらかの権利処理ルールが整えば、サービス提供も容易になるが、現状ではそうしたルールは不在だった。

 今回、公共放送のNHKがIPネットワークへの番組配信を、商用トライアルとはいえかなり本腰を入れて取り組むことで、それをベースにルール化が進む可能性がある。有望視されながら、長い間鳴かず飛ばずだったVODサービスも、ようやく本格サービスの可能性が開けてきたわけだ。

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