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» 2004年06月22日 11時47分 公開

復活の狼煙を上げたパイオニア、「DVR-620H-S」を試す(前編)レビュー(2/2 ページ)

[坪山博貴,ITmedia]
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 任意のキーワードやプリセットのジャンルを使った検索機能もある。キーワードは記憶させることができるため、一度設定すれば何度でも利用可能だ。番組名だけでなく、EPGに含まれる番組内容も検索対象になる。

photo 番組検索機能は「キーワード」と「ジャンル」の2つ。キーワードは任意に設定可能で、番組名だけでなくEPGに含まれる番組内容も検索対象になる

 EPG上で番組を選択すると、従来モデルと変わらない予約設定画面に移行する。異なるのは番組名が自動で設定されている点だ。ユーザーインタフェースは良くできていて、そのまま決定キーを押せばEPG情報通りに予約。左右キーで項目間を移動し、上下キーで項目内容の変更、決定キーで押すと予約確定にフォーカスが移動する。例えば録画モードを変更して、また右キーで予約確定まで左キーで移動して、という無駄な動きがない点はスマートだ。

photo EPGで番組を選択したところ。操作性はスマート

 気になるのは予約一覧。従来モデルも同じだったが、フォーカスの当たった予約のみ、番組名が表示される。一覧性と情報量の両立のための切り替え表示だろうが、EPGでの録画予約が中心になるとすれば(多くの人はそうだろう)、むしろ番組名を優先して表示した方が親切ではないだろうか? この点は、いかにも「EPGを取ってつけた」という印象を受けてしまった部分だ。もちろんEPGから予約しない場合のことまで考慮しているのかもしれないが。

photo 予約一覧。フォーカスの当たった予約のみ、番組名が表示される
photo 余談になるが、「G-GUIDE」と「ADAMS-EPG」を比較するため、ちょっとした実験をしてみた。「DVR-620H-S」で「さんま」というキーワードを検索。すると3番組がヒットした
photo 一方、ADAMS-EPGを採用した「SmartVision」で同じく「さんま」を検索してみたところ、5番組がヒットした。「G-GUIDE」は「ADAMS-EPG」と比較すると情報量が今ひとつ、という評価はあながち嘘ではないのだ

従来モデルから継承された使い勝手

 EPGを除く使い勝手の多くは、2003年モデルから継承されている。もともと、EPGがなかった点を除けばトレンドの機能をおさえていたこともあり、使い勝手に大きな不満は感じないが、細かい点でいくつか注文を付けたくなる。

 たとえば、利用頻度の高い録画番組一覧(ディスクナビ)。2003年モデルから導入された動画サムネイルを継承し、一覧のままプレビュー可能だ。EPGの自動番組名登録により、さらに見通しは良くなった。ただ、番組名の自動登録を前提にするなら、さらに一覧性を重視したリスト表示もあっていいのではないだろうか。

photo 録画番組一覧はフォーカスしたサムネイルが動画再生されるタイプ

 HDDが大容量化し、録画可能な番組数も増加しているだけに、一覧の並び順変更や番組名での検索ができない点なども気になる点だ。最大4つのグループ分けも可能だが、録画番組の管理、検索という点ではもう一工夫欲しい気がする。

 録画番組一覧では先に実行する機能を決め、それから番組選択に移動する方式。他社製品と比較すると、単に番組を再生する場合でも1ステップ余計な操作が必要になるため、少々まどろっこしく感じる時がある。ダビング時の番組選択も同様だ。

photo 左側のメニューでまず機能を選び、次に操作対象になる録画済み番組を選択する

 予約一覧と同じような不満もある。サムネイル画面を大きく確保したかったのだろうが、番組名や録画時間が表示されるのは、フォーカスの当たった番組のみだ。EPGの利用を前提にするなら、サムネイル表示なしの番組名一覧もあった方がベターではないだろうか。

 一方、再生に関する基本操作は快適だ。HDDに録画した番組は番組単位で最終再生位置を記憶しており、家族がバラバラに複数の番組を途中まで見て、後で続きを見るといった使い方にも対応できる。早見/早戻しともに4段階の速度が用意されており、音声付きの1.5倍速早見や逆転再生もサポート。ボタンを押すたびに加速するタイプだ。

 民放番組の視聴に便利なCMスキップ機能も凝っている。CMスキップボタンを押す回数で30/60/90/120/180/300/600秒の再生先送りが可能で、バックボタンも同様に5/10/15/30/60/120/180秒再生を遡ることができる。とくにバックボタンは、CMスキップでちょっと行き過ぎた場合を想定してか、より刻みが細かい。このあたりは良く練られていると思う。

 CMスキップには“オート”と呼ぶ機能もある。これは、ステレオで録画された部分を自動で飛ばす機能で、モノラル番組に有効だ。ステレオ放送の多いスポーツ中継や音楽番組などでは利用できないが、ドラマ、バラエティ番組などは今でもモノラル放送が多いため、結構使えそうだ。

こなれた使い勝手。だが、EPG対応製品としての最適化に課題

 基本的な使い勝手は流石にこなれている。操作に対するレスポンスも良好で、この点も不満はとくに感じない。リモコンに追加された番組表ボタンの位置にちょっと違和感を感じるものの、それを除けばボタンのレイアウト、操作感ともに不満はない。

photo リモコンは2003年モデルから大きく変わっていない。片手でメニューや再生操作が行える良くできたボタン配置だ

 録画、再生という基本的な機能で気になるとすれば、既に触れている通り、EPG対応製品としての練りこみが“いまひとつ”ということ。よくいえば、定評のあるソフトウェアにできるだけ変更をくわえずにEPG機能を付加したということになるし、悪くいえばEPG機能をとりあえず付けてみましたといえなくもない。スポーツ中継の延長に対する録画延長機能などがない点は、この時期に登場する製品としてはちょっと寂しい印象も受ける。

 後編では、「DVR-620H-S」もう1つのトピックである最大約55倍速の高速ダビング、そして新たに追加された長時間モードなどに触れてみたい。

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