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» 2004年06月23日 18時55分 公開

復活の狼煙を上げたパイオニア、「DVR-620H-S」を試す(後編)レビュー(1/3 ページ)

前回に引き続き、パイオニアの「DVR-620H-S」を検証していく。今回のテーマは、再び「最速」の座を奪取したダビング速度、そして新しい長時間モードの画質だ。

[坪山博貴,ITmedia]

 HDD&DVDレコーダーの性能指標の1つになっているのが、HDDからDVDへのダビング速度だ。パイオニアは自社でレコーダブルDVDドライブを開発していることもあり、ダビングの高速化に積極的で、2003年モデルでは4倍速書込みDVDドライブを採用して「24倍速あっとダビング」を製品のうたい文句にしていた。

 しかしこの文句も、今年に入ってからあまり効果がなくなってしまった。他社も軒並み4倍速書込みDVDドライブに移行したうえ、「32倍速ダビング」を打ち出してきたからだ。この32倍速、実はより少ないデータ量で録画可能な録画モードの追加で実現された一種のトリックみたいなものだが、事情を把握していない限り、32倍速の方が高性能と思われてしまうのは仕方がない。

 「DVR-620H-S」を始めとするパイオニアの2004年モデルは8倍速書込みドライブを採用し、他社同様、DVD片面に最大8時間可能な新長時間モード(SLP)を追加(従来はDVD片面最大6時間)することで、約55倍速の高速ダビングを実現した。新長時間モードと8倍速書込みの組合せなら本来は「64倍速」になる計算だが、8倍速書き込み時でもDVDメディアの内周部は6倍速で書き込んでしまうため、平均値として約55倍速といっているのだ。

photo トレイはDVDレコーダーでは良く見かける「黒」。ちなみにパソコン用のDVD-R/RWドライブでは、黒いトレイがパイオニア製ドライブの象徴になっている

 ちょっと分かりにくいかもしれないが、基本的には、DVD-Rが最大8倍速、DVD-RWは最大4倍速と、書き込み速度は2003年モデルに対して倍に高速化されている。当然、録画モードにかかわらず速い。

 たとえばDVD-Rなら、目一杯書き込んでも理論上は8分程度で済む。DVD-RWならば15分程度で書き終えることになる。標準画質(SP)で録画した2時間の映画が、この時間でダビングできると思えばいい。ちなみに他社製品のほとんどは4倍速書き込みで、三菱電機の「楽レコ」だけが8倍速ドライブを採用している(ただし、DVD-Rへの書き込み速度は6倍におさえられている)。

 まず、DVDメディアがほぼ一杯になるXPモードで1時間録画した番組を、8倍速と4倍速のDVD-Rメディア、そして4倍速DVD-RWメディアにダビングしてみた。8倍速DVD-Rメディアは7分44秒で、4倍速DVD-R/RWメディアは13分20秒前後でダビングを完了した。

 DVD-Rへの8倍速書き込みが速いのも事実だが、むしろDVD-RWメディアへの4倍速書き込みの方がメリットを大きく感じられそうだ。たとえば、標準モード(SP)で録画した1時間ドラマなら、ファイナライズまで含めても8分程度でダビングが完了する。自宅で見る暇がないので、出かける準備をしている間にダビングしておき、ノートパソコンのDVDドライブに突っ込んで出かける……なんてことも手軽にできそうだ。

ダビング高速化の書き込み品質への影響は?

 ダビング速度の向上に伴って気になってくるのがDVDメディアへの書き込み品質だ。民生用HDD&DVDレコーダーの場合、書き込み速度とはドライブとメディアの両方が許容する最高速度であり、さらにベリファイ(読み出し確認)ができないなど、パソコンとは事情が異なる。つまり、書き込み品質を優先するために書き込み速度を意図的に落とすことができないから、実際の書き込み品質はパソコン以上に気になる部分だ。

 ここでは8倍速/4倍速対応のDVD-Rメディア(マクセル製)、さらに一般にいう激安メディアの1つであるBENQブランドの4倍速DVD-Rメディアもくわえ、PIエラー検出による簡単な書き込み品質チェックを行ってみよう。計測する手段がPCのソフトのため、絶対評価は難しいが、パソコンでも同じメディアをパイオニア「DVR-A07J」(おそらくDVR-620H-S採用とほぼ同じドライブ)で書き込みを行い、比較してみた。

photo DVR-620H-Sで8倍速対応DVD-Rメディアへ書き込んだ場合のエラーレート
photo DVR-A07Jで8倍速対応DVD-Rメディアへ書き込んだ場合のエラーレート。DVR-620H-Sの方が全体にエラーレートが低い
photo DVR-620H-Sで4倍速対応のDVD-Rメディアへ書き込んだ場合のエラーレート
photo DVR-A07Jで4倍速対応のDVD-Rメディアへ書き込んだ場合のエラーレート。8倍速書き込みに比較すると全体にエラーレートが低い。また、ここでもDVR-620H-Sの方がエラーレートが低い
photo DVR-620H-Sで一般に激安メディアといわれている4倍速対応DVD-Rメディアへ書き込んだ場合のエラーレート
photo 同じくDVR-A07Jで書き込んだときのエラーレート。1枚75円程度のメディアだが、エラーレートを見る限り、書き込み品質は決して悪くない

 8倍速DVD-Rメディアでは少々エラーが多めに見えるものの、どのメディアに対しても十分許容範囲といえる結果だった。ちなみにDVR-620H-Sでダビングしたメディアは全て、筆者宅でもっとも安価なDVDプレーヤー(8800円で購入)でも、まったく問題なく再生できた。

便利な複製機能もあるダビング機能

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