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「家電の日立」復権に向け、高付加価値製品にシフト

» 2004年07月14日 19時28分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 日立製作所は7月14日、10月1日付けで新設するコンシューマ事業統括本部に関する記者説明会を行った。デジタル家電などを扱うユビキタスプラットフォームグループ(UB)と、白物家電を扱う日立ホーム&ライフソリューション(H&L)を統括し、連携してコンシューマー向け製品を開発・販売する。

 コンシューマ事業統括本部は、デジタル家電に加えて白物家電も扱い、従来の枠にとらわれない販売体制を築くために新設した。例えばUBの管轄であるホームシアターシステムと、H&Lのオール電化システムをセットで住宅業界に売り込む──といった具体的な連携策を描く。

 扱う製品は高額・高機能品に絞り、価格競争とは一線を画す。「安価な製品の製造・販売は中国には勝てないが、最近の日本市場では、高額でも品質や機能のいいものなら売れるようになった」(執行役常務の立花和弘ユビキタスプラットフォームグループ長&CEO)。H&Lは6月、高い洗浄力と節水を同時に実現した洗濯乾燥機「ビートウォッシュ」を発売した。こうした高付加価値製品のラインアップを強化し、ブランド力と収益力を向上させる作戦だ。

 高額でも売れる“高級品”として位置付けるのは、薄型TV、HDD/DVD製品、ネットワーク機能やTV機能を重視した「ブロードバンドPC」、オール電化機器、エコロジー機器、次世代デバイスの6種類。

 付加価値の源泉となるのは技術力だ。UBとH&Lの技術の融合を進め、デジタルと白物を両方手がける体制を強みに変えていく。既に「H&Lの照明技術を応用したディスプレイ用のバックライトなどを開発中」(立花執行役常務)。社内のデジタル関連の研究所を集結した研究所「デジタルアプライアンス研究センタ」も設立。研究のスピードと質を向上させる。

 「日立グループがカバーする分野は、家電、インフラ、デバイス、各種サービスなど多岐にわたる。各社・各部署の技術を垂直統合した新製品や、キーデバイスすべてを自社生産した製品が作れるのが強みだ。一環した自社生産により品質や納期への信頼感を高め“Made in HITACHI”ブランドを築き上げる」(立花執行役常務)。

 コンシューマー向け事業の売り上げは、2003年度で1兆円。これを2010年度には2兆円に伸ばす目標を掲げている。

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