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魅惑のエンターティナー、「ロボサピエン」と遊んだレビュー(?)(2/2 ページ)

» 2004年07月26日 08時19分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]
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 ちょっと動きが怪しいが、2足歩行も可能だ(動画はこちら)。体を左右に大きく振りながら前進・後退・左右の方向転換までこなす。ついでに、歩いているときに足が障害物にぶつかると、「Ouch!」(いてえ)とか、「oops」(おっとと)と声を上げる。なるほど、このために足にセンサーが付いているのかと妙に納得した。もちろん、ロボサピエンは自分から障害物を避けようとはしないから、バックして方向転換しなければならない。

photo リモコンで操作中。頭部にIRレシーバーがあるため、リモコンで頭を狙うべし

 手を動かせば、「Hi-yah!」「Hoy-yah!」とかけ声かける。もしかすると“空手”のつもりなのかも知れないが、その割に礼儀はなってない。実際、「Burp」(げっぷ)をするロボットって初めてみたし……。

 で、スリープさせるとイビキをかいて眠りにつくのだ。この漫画的で分かりやすい表現に思わずニヤリ。おそらく、このままの仕様で「トムとジェリー」に出演できるぞ。

 つまり、ロボサピエンはアメリカンコミックを地でいくような、愛嬌あふれるエンターテイメントロボットなのだ。さすが子ども向けのトイロボットと感心したのだが、その後でちょっと考え込んでしまった。NASAのロボット技術って、一体……?

少ないモーターで効率よく動作

 しかし、ロボサピエンの動作をよく見ていると、実際に駆動するカ所は極めて限られていることが分かった。おそらく、モーターは首と両肩、両肘、そして両足の付け根の計7カ所にしか入っていない。おおくても8〜9カ所だろう。

 両手の開閉といった動作は肩の上下と連動しているし、二足歩行時も少ない稼働部分でまかなうため、ことさら上半身を左右に振ってバランスを取っているように見える。つまり、コストを抑えつつ、さまざまな動作を可能にするため、よく考えられた機構を持っているということだ。このへんがNASA出身(?)たる所以なのか?

photo 足の裏に単1乾電池を2本ずつ。計4本つかう。電池を重りにしているのだろう。なお、リモコンには単3乾電池×3本が必要だ

 また、コマンド体系も洗練されている。上記のように「セレクト」ボタンで切り替え可能だが、基本的には1つのボタンに1つの動作が割り当てられているから、子どもにも分かりやすい。上級者になったら、「プログラミングモード」で一連の動作を憶えさせることもできる。ロボサピエンには、腹などに3つのプログラマブルセンサーがあり、音や衝撃をトリガーにして動作させることが可能だ。

 最初から用意されている、いくつかの「デモモード」も笑える。個人的なお気に入りは、軽快な音楽と共に、ロボサピエンが腰をくねらせて踊りまくる「ダンスモード」。ごつい顔に似合わず、軽快なダンスを見せてくれる。

photo パッケージの中身。コップみたいな物は「ピックアップアクセサリ」。これをロボサピエンのすぐ横に置くと、持ち上げて、投げる(というコンビネーションが可能)

 それにしても、これだけの性能を持って99ドル(米国内の価格)は安い。国内販売価格は1万5000円だが、それでも十分に安い。ロボット好きの人はもちろん、夏休みに子どもたちと遊びたいお父さんにもオススメだ。ただし、パッケージも説明書も英語なので、そのへんだけは覚悟しておいてほしい。

photo せっかくなので、トイロボット日本代表の「Dream Force01」と記念撮影。大きさはほぼ同じ。対決させたら面白そうだが、操縦者が一人しかいないので止めておいた
photo トイロボット日米頂上決戦
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