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イマドキの小学生、そのインターネット事情(1/3 ページ)

» 2004年08月02日 07時38分 公開
[小寺信良,ITmedia]

 子供らが夏休みに入って、既に2週間が経過しようとしている。焼けるような暑さの中、ほとんど虫取りとプールの記憶しかない九州の田舎育ちの筆者にとって、小学5年生になる娘の夏休みの生活は脅威だ。なにしろ暇な時間はほとんど、インターネットの探索に費やしているのである。

 娘に筆者お下がりのノートパソコンを与えたのが、今から3年前、小学2年生の時だ。専用メールアドレスも与えたが、当時はメールをやりとりする相手が妻ぐらいしかおらず、まあメールの見方・書き方ぐらいは知ってるものの、活用とまではとても言えない状況であった。

小学生に広がるインターネット環境

 それが一変したのは、4年生の社会科の授業であった。自由研究の調べ物をするのに、Webの検索方法を教えたのである。

 とはいっても、いきなりGoogleとかでアレゲなサイトに大ヒットしてもシャレにならないので、Yahoo!が子供向けに提供しているポータルサイト「Yahoo!きっず」を使うことにした。いろいろなキーワードを自分で考えて、必要な資料を探すという行為はゲーム的でもあり、また学校の図書館で必要な本や図鑑を借りてくるよりも、効率がいいのは間違いない。

 だがこの方法は、教室で物議を醸し出した。授業にインターネットの情報を持ち込むことは、家で自由に使えるパソコンを持っている子、持っていない子で、情報の不均衡を生み出すことになる。こんなところでも“デジタルディバイド”が生まれるわけである。

 むろん学校でもパソコンの授業があるのだが、教えられた操作ができることと、自分の意志で情報を引き出せることとの間には、大きな隔たりがある。

 近頃はどういうわけか、娘の「メル友」が急速に増えた。普通メル友と言えばケータイだが、小学生でケータイを持っている子はまだごく一部に限られる。したがってこの場合は、パソコンでEメールのやりとりだ。夜8時すぎるころ、にわかに「即メール合戦」が始まるのである。

 急にメールが使える子が増えたわけは想像するしかないが、まさか今年に入っていきなり各家庭が子供のためにパソコンを新調したわけでもないだろう。

 思うに、学校でもパソコンの授業があるということで、家のパソコンが晴れて子供たちに解禁になったというところではないだろうか。女の子がお友だち間で回しあう市販のアドレス帳には、住所や電話番号のほか、ごくあたりまえのようにEメールの記入欄がある。こういうところからも、小学生のインターネット人口を押し上げているのかもしれない。

小学生向けアドレス帳にも、Eメール記入欄があるのは当たり前

 社会科の調べ物は、うちの子以外にもWebで調べてくる子が増えているという。だが学年が上がり、調べる内容が次第に高度になってくるにしたがって、問題も出てきた。サーチエンジンとして「Yahoo!きっず」は確かに子供用コンテンツしか表示しないので安全ではあるのだが、もはや5年生ぐらいの調べ物になると、検索しても見つからないケースが目立ってくる。

 そんなわけでうちでは、一般のサーチエンジンを解禁した。

手放しではイケナイ

 長崎県佐世保市の女児殺人事件をきっかけとして、今教育の現場では、ネットのマナーに対する啓蒙が始まっている。埼玉県教育委員会では夏休みを前に、県下全校にインターネットを使うときの約束を記したパンフレット(というかチラシ)を配布した。

 そこには、メールなどにおいて悪口やいたずら書きをやめるよう、指導されている。また、知らない人からのメールを開かない、安易にダウンロードしたりコピーしないといったいくつかの約束事も記されている。

 ちなみにこのパンフにはイラストも張り付けてあるが、解像度が足りずにめっちゃジャギってる上にアスペクト比を間違えており、パソコン指導のパンフとしてはかなり「大丈夫か感」が漂う。迅速に対応した点は評価するが、こんなところで説得力がダウンしているのはいかにも残念である。

 未成年者のインターネット使用に対して、親が指導すべき内容を整理すると、ポイントは三つある。

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