オプトウエアは、独自技術の「コリニア方式」を用い、反射型ホログラム光ディスク(HVD:Holographic Versatile Disc)に動画を記録・再生することに成功したことを明らかにした。ホログラム記録技術は、データをレーザー光の“干渉縞”としてディスクに記録する大容量メディア技術。現行のDVDなどと同じ12センチ径のディスクで、1Tバイトの記憶容量と1Gbpsの転送速度を実現するという。
オプトウエアは、ホログラム記録技術を実用化するため、1999年に設立された開発型ベンチャー企業。同社が特許を持つ「コリニア方式」では、データを干渉縞による体積ホログラムとして記録するための「参照光」と「信号光」を同軸状に配置し、一つの対物レンズでメディア上に照射することで光学系を簡素化。さらに、独自のサーボ系システムなどにより、ピックアップの小型化や既存のDVDやCDとの上位互換性を実現するという。
しかし、従来の光ディスクと同じ“反射膜付きでプリフォーマット”のホログラム光ディスクでは、ホログラムを記録再生する際に、プリフォーマットのアドレス情報によって散乱ノイズが発生し、信号品質を著しく劣化させるという問題が残されていた。そこで同社は、ディスクに「波長選択膜構造」(下図を参照)を採用。これにより散乱の影響をなくし、理想的なコリニア方式ホログラフィック記録が可能になったという。
「ホログラム光ディスクの実用化に向け、また一歩大きな前進」(同社)。
なお、技術の詳細は、9月16日にパリで開幕する「COST Action P8」(Cooperation in the field of Scientific and Technical Research)で発表する予定だ。
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