松下電器産業は9月1日、デジタル家電開発環境の統合プラットフォーム「UniPhier(ユニフィエ)」を開発したと発表した。ホームAV製品から携帯電話までさまざまなデジタル家電に幅広く対応できるという。2005年度上期から同社デジタル家電に順次採用していく構え。
近年のデジタル家電分野の躍進は目覚しいのものがあるが、従来よりその開発は、携帯電話/パーソナルAV/カーAV/ホームAVと各プラットフォームごとで別々に行われており、分野間に技術の壁があった。
だが、“いつでも・どこでも・誰にでも”利用できるユビキタス社会が進むにつれ、ネットワーク対応などデジタル家電への高機能化ニーズはさらに高まっていく。デジタル放送が視聴できる携帯電話、ブロードバンドテレビ、DVDレコーダから発展したホームサーバなど、今後は機能の融合も一層加速する。
同社半導体社の古池進社長は「ユビキタスネットワーク社会では、ネット対応デジタル家電の機能の融合が始まる。そして、セキュリティへの要求も一層高まってくる。だが現実は厳しく、開発現場ではソフト開発規模が急増しており、従来の開発では限界にきている。機能の融合が進むと、この問題がもっと切実になってくる。効率のよい開発が行える統合プラットフォームが、今後のデジタル家電開発に不可欠だった」と開発の背景を語る。
デジタル家電開発環境の新たな統合プラットフォームとして開発された「UniPhier」は、ソフト/ハード資産の共用や再利用化を商品群で横断的に展開することで商品分野間の壁を打破。デジタル家電の開発効率と設計品質を飛躍的に向上させるという。
「UniPhierによって開発効率は従来の5倍以上に向上し、資産化と再利用が可能なソフトプラットフォームが展開できるなどソフトウェアの生産性が大幅に向上する。また、スケーラブルなアーキテクチャでセット要求に柔軟に対応できる。最終製品としては、低消費電力でスムーズな操作感、そして柔軟性かつ強固なセキュリティを盛り込んでいる高品位/高性能なAV製品やモバイル機器が開発できる」(同社)
発表会場では、UniPhierを活用した時に実現する製品をイメージしたデモンストレーションが行われた。
UniPhierを活用したデジタル家電は、来年半ば以降に登場する見込み。具体的には、どのような製品が出てくるのだろうか。
「パーソナルAVではDVDデジカムのような製品や、小型サイズでさまざまなフォーマットの映像を視聴できる携帯型ビューワーみたいなものも出てくるだろう。携帯電話ではデモであった地上デジタルを受信できるものなど映像に強いもの以外に、携帯オーディオプレーヤーがそのまま入ったような音楽に強い携帯電話も登場するかもしれない」(同社)
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