Microsoftの事業慣行をめぐる論争は10月1日、ルクセンブルクの第一審裁判所で2日目の審問が行われた。Microsoftの反対陣営は、MicrosoftがWindows Media Playerを組みこまないバージョンのWindowsを提供しなければ、同社はOC市場での事実上の独占状態をデジタルメディア分野にも拡大してしまうだろうと主張した。
「もしMicrosoftがもう一つ独占的な地位を手にすれば、コンピュータにとどまらず携帯電話やPDAなどのデバイスでも、(デジタルメディア)フォーマットの生死を決める力を持つようになる」。Computer Communication Industry Association (CCIA)の代理人、ジェイムズ・フリン氏はこう語った。
Microsoftの独占に対して手を打たなかった場合、メディア再生ソフト市場で何が起きるかの一例として、反対陣営はインターネットブラウザのNetscapeがたどった運命を引き合いに出している。
これに対してMicrosoft側代理人のジャン-フランソワ・ベリス氏は、Windows Media Player(WMP)がデジタルメディア市場を独占しているという欧州委員会の見方を一蹴。Appleやソニーが音楽ダウンロード市場に参入してきたことは、デジタルメディア形式をめぐってユーザーに選択肢があることを示すものだと主張している。
同社に対してWMPのバンドル解除を強いれば、「Microsoftのビジネスモデルの心臓部を突く」ことになるとベリス氏は言い、後に取り消されたとしても同社の評判が被った損害は消すことができないと論じている。
Microsoftの専門家、リンダ・アベレット氏は、バンドルを解除したバージョンのWindowsは独立系のソフトベンダーにとってコストの増大につながり、Webサイト設計者はユーザーのサポートに追われたり自社のソフトを修正しならなければならなくなると指摘した。これは、修正されたバージョンのWindowsではフルバージョンと同じだけの機能を提供できないのが原因だと同氏。
しかしRealNetworks関係者はこの主張に異議を唱えてデモを実施、バンドルを解除したバージョンのWindowsは、デジタルコンテンツに関して何の問題もないように見えた。
ベリス氏はまた、欧州委員会の是正措置ではコンシューマーがほかのメディアプレーヤーを使いやすくなるという目標は達成できないと主張。「分別のあるエンドユーザーなら、(バンドルを解除したバージョンのWindowsなど)選ばないだろう。何のメリットもないのだから」と語っている。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR