単なるデスクトップではなく「AVレコーディングサーバー」と名づけられたVAIO type X「VGX-X90P」は、Pentium 4 560(動作クロック3.60GHz)にメモリ容量DDR2-533MHzを1Gバイト、HDDはなんと1Tバイトという、ハイスペックなパーツ構成もさることながら、3チャネル同時録画が可能な専用ボード「X3ビデオサーバー」を2枚搭載しているのが最大の特徴。
X3ビデオサーバーは、CPUとしてSH4を1基搭載して専用のOSによって動作する。いわば、VAIO type XにAV用ブレードサーバが間借りしているような関係になる。
X3ビデオサーバーの基板には三つのTVチューナーユニットやハードウェアMPEGエンコーダチップ、3D Y/C、ゴーストリデューサなどの高画質回路を実装する。ほかにもSerial ATAインタフェースやネットワークコントローラを搭載し、カード単体でTV番組のMPEGエンコードからSerial ATA対応HDDへの保存(VAIO type XにはX3サーバー専用のHDDが250Gバイト×2台割り当てられている)、100BASE-TXネットワークを介した保存コンテンツの配信までカバーできる。
なお、ソニースタイルではHDDを400Gバイト×4台にした構成や、X3ビデオサーバーを一枚にした構成なども選択できる。HDDが400Gバイト×4台の構成ではX3ビデオサーバー専用として800Gバイト(400Gバイト×2台)が使えるため、長時間録画モード(ビットレート1.25Mbps)の場合、6チャネル同時24時間連続録画で9日間の記録が可能になる。
VAIO type Xに間借りしているX3ビデオサーバーだが、単体で独立して動作できるため、VAIO type XのPC部分が動作していなくてもTVの録画やコンテンツの配信が可能。ネットワーク配信では現在認定申請中の「DLNA規格」に準拠したフォーマットを採用しているため、ソニー製機器以外のPCや製品でも、DLNA規格に対応していれば配信できるようになる。
VAIO type X自身にもキャプチャーカードとしてVAIO type Rの最新モデル「VGC-RA71P」に搭載されたものと同じカードを搭載される。また、VGC-RA71Pと同じ、デジタル放送録画対応の「i.LINK(TS)」が用意されているので、デジタルチューナーを接続することでデジタルハイビジョン放送をダウンコンバートすることなくHDDに保存できる。ただし、デジタル放送の扱いはX3ビデオサーバーではできないため、VAIO type Xに搭載されたキャプチャーカードとWindow上で動作するアプリケーションに限られる。
保存したコンテンツの再生でも、VAIO type Vで採用されたソニー独自アルゴリズムをソフトウェアで実現する「Motion Reality LE」を実装、筐体に用意されたD4端子に接続されたディスプレイに1920×1080ドットの高解像度映像を高品質な画質で表示する。このD4端子はWindowsのマルチディスプレイとしても認識されるため、Windows上で動作するコンテンツプレーヤーの表示画面として利用できるほか、Do VAIOはD4端子接続のディスプレイを優先して利用する。
2枚のサーバカードやCPU、HDDなどパワフルなパーツを数多く搭載する一方で、AV利用を意識したVAIO type Xは、高効率、かつ静音性能に優れた冷却機構が必要となる。その相反する要求を満たすために、筐体には十分な給排気口を設け、ヒートパイプと大型のヒートシンクを組み合わせたユニットを搭載すると同時に、低速で回転する大口径のファンを多数用意することで、効率と静音性能を両立させている。
VAIO type Xの主な仕様は以下のとおり。
機種名 | VGX-X90P |
OS | Windows XP Professional(Service Pack 2 対応) |
CPU | Pentium 4 560 |
チップセット | Intel 915P |
メモリ | 1Gバイト(512Mバイト×2)DDR2 SDRAM、DDR2 533対応 |
グラフィックスカード | RADEON X600 XT |
ビデオメモリ | 128Mバイト |
HDD | 約1Tバイト(250Gバイト×4)Serial ATA |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(DVD+R 2層対応) |
サイズ | 約465(幅)×430(高さ)×160(奥行き)ミリ(本体、突起部含まず) |
重量 | 約19.5キロ |
実売想定価格 | 52万円前後 |
発売予定日 | 11月20日 |
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