ヤマハは10月18日、室内に設置できる防音室「アビテックス マイルーム」シリーズを発表した。広さは1.5畳で、遮音性能と外装色の違う3タイプを用意した。「想定ユーザーは30-50歳代の男性。小型のホームシアターやパソコンルーム、趣味の部屋などに使える“大人のための個室”を目指した」(ヤマハ)。
型番 | 色 | 遮音性能 | 価格 | 発売日 |
---|---|---|---|---|
MRA30N | ナチュラル | Dr-30 | 43万8900円 | 11月1日 |
MRA30M | ミディアム | Dr-30 | 52万2900円 | 11月1日 |
MRA35D | ダーク | Dr-35 | 62万7900円 | 11月1日 |
「アビテックス マイルーム」のベースになったのは、楽器練習などに使う防音ルームとして3年前に発売された「アビテックス ウッディミニ」だ。この製品が持つ、リフォーム不要の組み立てや遮音技術を音楽以外のニーズにも適用したという。昨年6月には「マイルーム MYR15」という名称でモニター販売を行い、「選べる外装色やさまざまなニーズに対応できるオプションなど、モニターの意見を製品に反映した」(同社)。
外装と内装はともに天然木(桐)を使い、高級エンボスウレタン塗装により、木目を活かしながらスタイリッシュに仕上げた。コーナーは曲線仕上げ。遮音性を確保するため、分厚いドアにもゴムパッキンが貼られている。「一般的に1.5畳のスペースをリフォームすると、打ち合わせなどを含めて1カ月から2カ月の期間が必要だ。コストも70〜80万円と単価が高くなる。マイルームでは、組み立ては2時間程度で済む」(ヤマハ、防音事業推進部開発室の岩沢健一室長)。
外形寸法は、ナチュラルタイプとスタンダードタイプが、1424(幅)×1866(奥行き)×2056(高さ)ミリ。デラックスタイプは壁が厚くなるため少しだけ大きく、1464(幅)×1906(奥行き)×2076(高さ)となっている。実際に設置する場合は、防音室の全高にくわえ、天井までに100ミリ程度のクリアランスが必要だという。
オプション類も豊富だ。まず、パソコンルームやAVルームとして利用するため、新たにコネクタパネルを設けた。パネルには、イーサネット×1、電話×2、コンセント×3、RF端子×1を備えている。それでも足りない場合は、別途用意されたケーブル類の引き込み口を使えばいい。
ホームシアターユーザーに嬉しいのが、コーナーに取り付けるリアスピーカー用の棚だ。これもオプションとして提供されるもので、配線を壁面に沿って隠せるようになっている。
また、天板の高さを調整できるデスクも用意した。足の取り付け場所を変更すれば、座卓としても利用できる。このほか、ガラス窓のないドアや、FIXガラス(固定式)窓付きのパネルなど、用途と好みに合わせてオプションを選択できる。
気になる遮音性能は、日本工業規格の「Dr-30」もしくは「Dr-35」。たとえば、ピアノの音は一般的に約90dBといわれるが、遮音性能Dr-30の場合なら、部屋の外側で聞こえる音は約60dBと、「人の話し声程度の音量になる」(ヤマハ)。また、Dr-35の「MRA35D」なら約55dBとなり、「小さな話し声程度」という。
実際に発表会場でDVDビデオを再生してみたところ、低音の音漏れはあるものの、音量はかなり抑えられていた。1.5畳の室内では極端に大きな音にする必要はないため、まずは納得のいく遮音レベルといえそうだ。
ヤマハ防音事業推進部の柿崎慎一事業推進部長によると、同社が楽器以外の用途に向けて防音室を販売するのは初めてだという(前述のモニター販売を除く)。事実、これまではピアノを中心とする楽器の練習に利用するケースが9割を占めていたが、「ホームページを使ったアンケートの結果では、楽器以外の用途が3割もあった」(ヤマハ、アビテックス営業部の嬉野哲也部長)。
とくに最近は、パソコンやDVDプレーヤーの普及によって気軽にホームシアターを楽しむユーザー層が増えており、楽器以外の需要も高いと判断した。「従来の楽器店にくわえ、別の販売ルートも開拓していくつもりだ。来年以降は、ミュージックリースを通じたレンタルも予定している」(同氏)。
なお、ヤマハでは「新製品発売記念キャンペーン」として、3人に「MYROOM」が当たるモニタープレゼントを実施する予定だ。モニターの募集期間は11月1日から12月15日まで。
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