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「スゴ録」はどこまで進化した? 基本機能をチェックレビュー(2/3 ページ)

» 2004年10月19日 21時22分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 旧ラインアップでは、ハイエンドの「RDR-HX10」にも搭載されなかったゴーストリダクションチューナーだが、新モデルでは「RDR-HX70/90/100」の3モデルに搭載された。コントラストの強い場面では、その効果がはっきりとわかる。また録画品質という面でも、ゴーストという“余計な情報”を含めて圧縮しなくて済むため、メリットは大きい。

photo ゴーストリダクションがオフのとき(左)は数字の右側に強いゴースト、さらに複数の薄いゴーストも認識できる。ゴーストリダクションオン(右)では、ほぼ綺麗にゴーストが除去され、すっきりとした映像になった

 録画モードのマニュアル設定がない代わり、他社製品よりもプリセットが多いスゴ録。だが、新モデルでは競合製品を見習ってか「SEP」と呼ぶビットレート約1Mbpsの録画モードが追加された。ただ、スゴ録の場合はビットレートの高い順に「HQ、HSP、SP、LSP、LP、EP、SLP、SEP」という名称になっており、かなりわかりにくい。そもそも旧モデルでも「EP」より長時間録画が可能なのが「SLP」である点に違和感を感じたのに、さらに「SEP」が追加されてしまった。旧モデルからの買い換えや買い増しユーザーに対する配慮もあって変更は難しいと思うが、一度整理してほしいものだ。

 エンコード性能の検証は、いつもの通り。DVフォーマットの素材をPC上で約9MbpsのMPEG-2に変換し、これをDVD-RWメディアにDVD-VRフォーマットで書き込み、RDR-HX70でHDDへ再エンコード&ダビングを行った。使用した録画モードは、最もスタンダードな「SP」、「SP」と「EP」の中間になる「LP」(DVDメディアに3時間記録できる)、他社製品の「LP」モードに相当する「EP」、同じく「EP6時間」モードに相当する「SLP」だ。RDR-HX70自身で再生も行い、同一環境でキャプチャしている。

photo 1枚のDVDメディアに2時間記録できる「SP」モード。少々エッジが甘い気もするが、階調表現は豊かだ(クリックで拡大)
photo DVDメディアに3時間録画できるのが「LP」モード。結構便利そうだ。SPモードと比較すると細かい模様などの潰れが多めになるが、雰囲気はかなり近い
photo 他社のLPモードに相当するEPモード。LPモードから、さらに滑らかに情報量が欠落したような雰囲気で、全体の印象としては決して悪くない。ただし、SPモードと比べると明らかにソフトフォーカス気味
photo 他社のEP、EP6時間モードに相当するSLPモード。EPモードと比較しても格段に情報量が少なくなり、エッジも大甘。滑らかといえば滑らかなのだが……

 傾向としては、比較的諧調表現がスムーズで、シャープさより見易さに振った印象だ(再生系の設定は標準のまま)。競合製品と比較すると少々情報量が少ないかな、という印象は受ける。気になるのは、「SLP」にすると一気にソフトフォーカス&解像感が乏しくなり、ちょっと保存用には使いたくない雰囲気という点。「SEP」は、「SLP」と比べても目に見えて画質が低下するため、「とりあえず録画しておく」といった用途にしか使えないだろう。

 もっとも、今回試用したのは試作機であり、製品では改善が進んでいる可能性もあるため、各モードの評価もあくまで参考と思ってほしい。この理由から、今回はハイブリッド2passエンコードに関しても検証は見送った。

トップクラスになったダビング速度

 DVDドライブは最大8倍速書き込みとなり、「SEP」モードで録画した番組であれば、DVD-Rメディアへ最大64倍での高速ダビングが可能(カタログ値)。トップクラスのダビング速度になった。またDVD-R/RW、DVD+R/+RWの4メディアに対応しており、DVD+RWではDVDビデオとの互換性を確保しつつ、追記や部分カットが可能なDVD+RW VRフォーマットもサポートしている。

photo タイトル選択ダビングでは、複数の番組をまとめて選択可能。上部に選択した番組の容量も表示されるので、高速ダビング時には目安にできる。なおDVD-R、DVD+Rへダビングし、ファイナライズした後のメニューは、旧モデル同じ割と素っ気ない感じだ

高速ダビング速度は?

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