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テレビメーカー各社が語る“画質へのこだわり”FPD International 2004(1/2 ページ)

» 2004年10月22日 14時35分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 フラットパネルディスプレイの展示会「FPD International 2004」で、国内テレビメーカーの画質担当者を集めたセミナーが開催。パネルディスカッションで、各メーカーの画質担当者が“テレビ画質へのこだわり”を語った。

photo FPD International 2004のセミナーで、テレビメーカーの画質担当者がパネルディスカッションを実施

 パネルディスカッションで座長を務めたのは、デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏(日本画質学会副会長)。持ち前の歯に衣着せぬ発言を交えた司会進行で、各メーカー担当者の本音を聞き出した。

photo デジタルメディア評論家の麻倉怜士氏が座長を務めた

 パネルディスカッションに参加したのは、松下電器産業パナソニックAVCネットワークス社映像・ディスプレイデバイス事業グループデバイス技術グループの辻原進氏、パイオニア プラズマディスプレイビジネスカンパニー製品技術統括部第4技術部長の志保沢弘行氏、日立製作所デジタルメディア事業部映像メディア本部設計部の青木浩司氏、ナナオ映像技術開発部商品設計1課シニア開発マネージャーの橋本雅之氏、セイコーエプソンPTV事業推進部長の古畑睦弥氏の計5人。

photo 左から松下・辻原氏、パイオニア・志保沢氏、日立・青木氏

 松下/パイオニア/日立はプラズマテレビ陣営、ナナオは液晶テレビ陣営、セイコーエプソンはリアプロTV陣営として参加。また、日本画質研究所代表の中村順平氏が中立な立場でパネラーに加わった。

photo 左から麻倉氏、エプソン・古畑氏、ナナオ・橋本氏、中村氏

 「画質作りにおいての心構えを各社教えてください」(麻倉氏)との質問に対し、リアプロTV「LivingStation」の画質作りを担当するセイコーエプソン・古畑氏は「当社製品(PTV、リアプロTV)は大画面が売り。大画面が生きる映画鑑賞時に、いかにフィルムに近づけるか、作品の感動を伝えるのかを考えている」と語る。

 従来の液晶テレビにない“自然画質”で評判の液晶テレビ「FORIS.TV」の仕掛け人であるナナオ・橋本氏は「バラエティやニュースを試聴するというのもテレビの本質なのだが、試聴スタイルも変化し、作品性の高いコンテンツも増えている。作者の意図を汲みつつ、極力そのままの映像を伝える必要があるわけだが、自然界の持つコントラスト感や色空間に対して、液晶パネルの持つダイナミックレンジはどうしても狭い。その狭さを補完するカタチで“画質作り”が必要。基本はナチュラル、ボケとかカゲを表現できる絵作りを目指している」と画質への思いを述べる。

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