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普段、小画面。時々、プロジェクター(1/2 ページ)

» 2004年10月26日 16時46分 公開
[本田雅一,ITmedia]

 わが家のリフォームを機に、結構気に入っていた東芝の36インチのブラウン管テレビ「36ZX720」を手放した。その奥行きと最近の薄型テレビブーム故に、妻からは嫌われていた36ZX720だが、画質に限って言えば昨今の固定画素系テレビよりもずっといい。

 それでも手放したのは、単にデザインやレイアウト上の理由だけからではない。リフォームを契機に、リビングで使う“ディスプレイ”を、従来とは違った考え方で見直してみようと思ったからだ。

「50万円」で何を見る?

 いきなり“お金”の話をして恐縮だが、現在、薄型テレビで人気があるのは30〜50万円程度。ボーナス期に限っては、50万円で家族旅行に行くか、それとも薄型テレビを購入するかで迷う家庭が多かったという。

 50万円の予算を現在の実売価格に置き換えると、掘り出しものを探してきたとしても50インチ、現実的には42インチプラズマもしくは37インチ液晶テレビということになる。ちょっとがんばって多めの予算で50インチのプラズマテレビを購入したとしよう。

 個人的には暗部階調の不得手なプラズマテレビはあまり好みではないが、ない物ねだりをしてもしかたがない。サイズを求めるならプラズマが選択肢として最右翼となる。

 では50インチの大型テレビで何を見るのか?

 おそらく僕が仕事をしている間、昼間はワイドショーやニュース番組が流れ、夜も地上波のドラマやバラエティが映っていることが多いと思う。大画面で見たいコンテンツの代表格は、映画、スポーツときて、質の良いハイビジョン放送も多いドキュメンタリーや音楽ライブなどか。中にはゲームプレイを迫力ある画面で……というニーズがあるかもしれない。

 が、圧倒的に長い時間を占めるのは、(くだらないとまでは言わないが)画面の大きさや質感にこだわる必要のないコンテンツがほとんどだ。

 ところが、どっちでもいいコンテンツでは大画面と感じる42インチ以上のフラットパネルも、ある程度の視聴距離を取って映画などを見ると、“デッケー!!”と思うほど決して大きくはない。

 映画好きの読者ならご存じだろうが、映画は元々、大画面向きの撮影をしている。特にシネマスコープサイズの映画はそれが顕著だ。登場人物をアップで捉えるときも、画面の一部に顔を映した上で、余っている領域を背景として使うよう、うまく構図を考えて撮っている。その映画を小さい画面で見ると、逆にチマチマとして迫力に欠けてしまう。

 ハイビジョン用に作られたテレビ映像も、昔は単に縦横比が異なるだけ、といった映像が多かったが、最近は横長のアスペクト比と家庭用テレビの大画面化を意識した撮り方に変わってきたように思う。が、繰り返しになるが、“どっちでもいいコンテンツ”は大画面向きではない。

 そこでわが家では、大型の薄型テレビ1台をドーンとリビングルームに据えるという、最近のトレンドを一切捨てることにした。高価な大型フラットパネルを導入しても、ほとんどの時間は大画面を必要としないコンテンツが埋め、大画面で見たいコンテンツを映すには、ややサイズ不足という中途半端さに納得できない面があったからだ。

 代わりに、小さ目のテレビとフロントプロジェクターを組み合わせ、そのときの状況や映像ソースに合わせて好みの機器で見る。ディスプレイは1台の方が確かに運用はシンプルである。が、現実解としてこのような選択も悪くない。

普段の小画面に慣れてみると

 結局、わが家ではリフォーム後、“23インチの液晶テレビ兼リビングPCディスプレイ”と“120インチスクリーン”という組み合わせに移行した。なんてことを言うと、プロジェクター事情に詳しくない筋からは“おぉ、そりゃスゲー”と言われるのだが、サイズだけなら120インチスクリーンでも、エントリーレベルのプロジェクターで十分に投影できる。

 わが家のテレビは、僕が独身時代に買った29インチの4:3テレビが基本となっていた。その後、D4対応のハイビジョンに切り替える時には、“以前よりも高さ方向が小さくならないよう”にという理由で36インチ。36インチから23インチへの“小画面化”は、筆者が結婚して以来の革命的出来事である。

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