光ファイバーを使った映像配信サービスは数多いが、今度のトライアルはちょっと違う。配信先は東芝のDVDレコーダーで、購入したコンテンツはDVD-RAMに焼いて保存できる。いわば“DVD配信サービス”だ。もちろん、期限付きのレンタルも可能になっている。
パワードコム、東京電力、東芝の3社は11月2日、共同で映像配信サービス“ひかり de DVD”のトライアルを開始すると発表した。パワードコムがサービス主体となり、東芝が端末となるDVDレコーダーを、東電が足まわりとなるFTTH回線を提供する。
東京電力光ネットワークカンパニープレジデントの勝又淳旺氏は、「TEPCOひかりの特徴である“100Mbps占有”の光ファイバーで何ができるかを考えてきた。これまでもNOVAやXboxなどで他社との差別化を図ってきたが、今回は映像コンテンツの“流通革命”を起こすかもしれない新しい試み。次へのステップを含めた、大きなきっかけとなるだろう」と話している。
トライアルでは、関東在住の「TEPCOひかり」ユーザーを対象に1000人のモニターを募集し、12月1日から2005年3月末まで試験サービスを実施する。モニターの募集期間は11月2日から12月12日まで。“ひかり de DVD”ホームページで応募を受け付ける。なお、モニター参加自体は無料だが、アンケートのほか、専用のDVDレコーダー「RD-X4TP」(7万3290円)を購入する必要がある。
RD-X4TPは、東芝の「RD-X4」をベースにネットワークダウンロード機能を組み込んだもの。リモコン操作でタイトル検索や購入&レンタルが可能で、ダウンロード中にも「追っかけ再生」ができる。そのほかの機能はRD-X4と同じだが、RD-X4EXへのアップグレードは適用できない。
なお、東芝はDVDレコーダーの最新モデルでVRモード記録対応のDVD-Rメディアをサポートしているが、今回は非対応だ。東芝、上席常務待遇・デジタルネットワーク社主席技監の山田尚志氏は、「DVD-RAMを採用したのは、信頼性が一番高いからだ。将来的にCPRM対応のDVD-Rなどへ拡張することも視野に入れているが、まずは信頼性を重視した」としている。
ダウンロードする映像は、MPEG-2の3〜4Mbpsで、16:9のスクイーズにも対応する。音声はAC3(ステレオ/5.1ch出力対応)もしくは2カ国語に対応できるLPCM(2ストリーム)を使用。DVDビデオと同様にチャプタースキップやチャプター名の表示も可能だ。
気になるコンテンツは、ギャガ・コミュニケーションズやバンダイなど19社のコンテンツホルダーが提供する(一覧)。洋画、邦画、音楽、アニメ、TVドラマなど約300のタイトルを揃える予定で、価格はコンテンツによって異なるものの、セルの場合は980円から3150円になる見込み。レンタルには、24時間(当日)から168時間(7日間)までの設定があり、期限が来ると再生できなくなる仕組みだ。こちらは210円から420円で提供される予定。
「ひかり de DVD」のユーザーインタフェースは、RDシリーズの操作を踏襲したもので、ダウンロードの手順もいたってシンプルだ。
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