「そろそろホームシアターを構築したい」と考えるユーザーが増えてきた。
DVDやデジタル放送の普及などその理由はさまざまあるだろうが、プラズマ/液晶テレビなど薄型テレビの登場や、低価格で高性能なフロントプロジェクターの台頭で大画面環境が身近になってきた点も見逃せない。
そしてホームシアターを楽しむハード面で、今、注目したいのが「プロジェクションテレビ(PTV)」だ。
大画面になればなるほど迫力と臨場感が増すホームシアターには、大画面でコストメリットが発揮されるPTVが非常に向いている。LIVINGSTATIONの57V型は47万8000円だが、この金額でプラズマテレビを選ぶと37V型〜42V型しか買えない。
しかも42V型の画面サイズは、57V型と面積で比べて約半分しかない。映画の感動も半分……とまでは言わないが、迫力と臨場感で劣るのは確かだろう。45V型で100万円近くする液晶テレビはコスト面で論外だ。
もっとも、大画面でのコストパフォーマンスなら、スクリーン含めて20万〜30万円台で100インチ以上が楽しめるフロントプロジェクターに軍配が上がるだろう。だが、かなり暗くした環境でないと楽しめないフロントプロジェクターは、昼間や蛍光灯下など明るい環境では見づらくなることは否めない。使用するランプは3000時間前後で交換が必要で、スクリーンや本体の設置などでスペース面の制約も多い。それらを承知で本格派のホームシアターを求める方にこそお薦めできる。
今、ホームシアターで注目されているのは、従来のキッチリとした専用シアタールームではなく、普段使っているリビングルームで気軽に大画面を楽しむ「カジュアルシアター」。家族や親しい友人同士が集まって、ワイワイやりながら映画鑑賞やスポーツ観戦をする空間は、完全に遮光された専用シアタールームでは不便だ。
明るい場所でもテレビ感覚で視聴でき、暗くすればフロントプロジェクター感覚の迫力ある大画面を楽しめるPTVは、これからのホームシアター派にふさわしい大画面環境といえる。
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