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2010年のロボット市場は“最大”550億円〜富士キメラ総研

» 2004年11月25日 18時33分 公開
[ITmedia]

 富士キメラ総研は11月25日、「2004 ロボット(コミュニケーション、パートナー)市場総調査」を発表した。これによると、市場規模は2004年で70億円、2010年では300億円から最大550億円になる見通しだという。

 対象としたロボットは、コミュニケーションロボットやパートナーロボットなど人間が生活する場所に“共生”するもの。ソニーの「AIBO」やバンダイの「ドラえもん・ザ・ロボット」、ビジネスデザイン研究所の「ハローキティロボ」などが挙げられる。

 また、パートナーという意味で人の活動する場面全般を考えると、松下電工の「HOSPI」、神奈川工科大学「パワー・アシスト・スーツ」、セコムの「セコム ロボットX」など開発中のものも含まれるが、「やはり市場創造のカギとなるのは、AIBOに代表されるエンターテイメントロボット」と指摘している。

 そのうえで、家電市場を参考にしながら現実的な視点で市場規模を予測した。「販売実績のあるロボットは限られており、実際には2004年で年間70億円、2005年で80億円程度と予想される。さらに日本のパートナーロボット市場は、家電同様に大量販売によって確立する市場であるといえる」。

 仮にロボットが2010年までに普及期を迎えた場合、最近のヒット商品である食器洗い乾燥機(食洗機)と同じ対前年比140%が拡大期の標準的な伸長率になるという。「このような状況になり、ようやく2010年に最大550億円程度の市場が形成されるだろう」。

 また、例に挙げた食洗機が、1960年に最初の製品が登場してから40年間も低迷していたことを合わせて指摘。製品の拡大や低価格化が遅れた場合には短期間では普及しない可能性も示唆した。このため結論には、「300億円から最大550億円規模」と幅を持たせている。

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