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話題のスクリーン、キクチ「ホワイトマットアドバンス」とは?インタビュー(3/3 ページ)

» 2004年12月21日 00時00分 公開
[西坂真人,ITmedia]
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――高解像力も売りですよね。

 「近年、ハイビジョン対応機種など高解像度プロジェクターが増えていますが、いくらプロジェクターが高解像度でも、スクリーンがキャンバス地のように凸凹があったら台無しです。“ウルトラマイクロシボ”では非常に細かく表面処理のシボを作っているので、高解像度映像でも表面の粗さは感じません。ソース側の映像の実力をそのまま出せるようなスクリーンなのです」

photo 光を当てたところ。ホワイトマットアドバンス(右)には非常に細かいシボが作られている

――シート地の素材や織り構造にも工夫があるようですね。

 「当社のスクリーンには(スチュワート製を除く)スクリーンの平面性を保つために、表の白いシートと裏地の黒いシートの間にグラスファイバーのシートが入っているのですが、従来のグラスファイバーシートは折り目の凹凸が表面に出てしまい、この凹凸の影響から近年の画素型プロジェクターではモワレが発生するケースがありました。新製品ではシート自体も糸の1本から作り直しており、グラスファイバーを束ねる前の1本から細くしました。だが、あまり細くすると平面性や強度が失われてしまうのでそのバランスが大事。試作を重ねて、ようやく完成にこぎつけました」

photo 裏地の黒いシートを見ると織りの違いが良く分かる。従来のホワイトマット(左)とホワイトマットアドバンス(右)

――自然な映像表現から、“リファレンススクリーン”として選ばれるケースも増えているようですね。

 「スクリーン側で映像を変えてしまったり、足りないものを補完しようというものではなく、すべて受け止めて高いレベルで再現しましょうという性格を持っています。AV専門家の評価が高いのも、プロジェクターの性能レビュー時にレビュー機が持つ本来の実力をしっかりと評価できるからでしょうね。従来のホワイトマットとはまったく別物になっているのですが、ホワイトマット系の“安かろう悪かろう”のイメージも払拭したかったので、あえてホワイトマットの進化系をイメージさせるネーミングにしました」

――今回のホワイトマットアドバンスは、どのようなユーザーに向いてますか?

 「完全に光を遮断して映像を突き詰めていきたい“プライベートシアター派”にはホワイトマットアドバンスが向いていますが、“リビングシアター派”には迷光が多い環境でもコントラストが維持できるグレイマットアドバンスの方がお勧めです。立ち上げ式で人気のスタイリストをはじめ、スプリング/壁掛け/イージーフラット/電動/床起きなど、一通りの製品がホワイト/グレイの両マットアドバンスシリーズでラインアップされます。今回の新製品に限らず、スクリーンは“視聴スタイル”で選んでもらいたいですね」

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