「目は口ほどにモノを言う」というが、本当は口に出せないことや、本人が気づかないことまで、目は語っているらしい。それを代弁してくれる機械が登場した。
アイリテックが1月17日に発表した「ストレスメーター1」は、瞳孔(ひとみ)の対光反射を利用して、その人が抱えているストレスを測るというユニークな機械だ。
対光反射とは、眼に光が当たったとき、反射的に瞳孔を収縮させ、眼球に入る光の量を調節する反射行動のこと。「瞳孔の収縮は、虹彩(アイリス)の中の平滑筋が収縮することで起こる。そのときの収縮スピードや収縮の程度などを測定すると、自律神経のバランス状態が解析できる」(アイリテックの小林祥三社長)という。
瞳孔の収縮を司るのは交感神経、拡散するときには副交感神経が働く。これら(自律神経)のバランスが崩れていると、ストレスが溜まった状態と判断できるわけだ。
しかも、ストレスメーターは計測できるのは、それだけではない。自律神経のバランス状態と10万件におよぶ蓄積データにより、消化吸収や代謝プロセスのレベル、内臓の機能といったデータから、果ては被験者の精神・情動面の傾向、それに基づく職業の適性など、多分にパーソナルな領域まで分析してしまう……いや、分析してくれる。
これを応用すると、たとえば企業が社員の健康管理や人材適正検査に使うことも可能になる。小林社長は、「一般的に適性検査などは設問回答式のアンケート調査で行うが、それでは被験者の恣意的な操作や、慣れによって結果が左右されやすい。また、きめ細かい分析をしようとすれば設問が増え、受験時間も長くなってしまう」と指摘する。
対してストレスメーター1では、1回の計測にかかる時間はわずか3分ほど。医療分野はもとより、エステなどのヘルスケア産業、さらには企業の人事部まで、その応用範囲は幅広いという。価格は、1台315万円だ。
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