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“作曲”する犬型ロボット登場

» 2005年01月19日 19時36分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 低迷する玩具市場を音楽で打開したい――セガトイズは1月20日、音楽を楽しめる犬型ペットロボット「idog」(アイドッグ)を発表した。頭や鼻を触ったり音楽を聞かせてやると、耳と首を動かし、顔に装備したLEDを点滅させて感情表現する。作曲機能を備え、機嫌によってさまざまな曲を演奏。ライン端子から入力した音声を、背中のスピーカーから再生可能だ。4月2日発売で4179円(税込み)。国内に加え、米Hasbroと共同で、北米を中心に世界で販売する。

 idog発売のねらいは、既存玩具市場のターゲット外だったユーザーの取り込みだ。「音楽は子どもから大人まで楽しめる上、携帯電話など新しいハードを介した音楽流通も始まっている」と同社の国分功社長は話し、低迷する玩具市場打開の一撃として、idogに期待を寄せる。

 実際、idogのデザインやフィーリングはおもちゃというより携帯電話やiPodに近い。作曲には人気音楽プロデューサーを起用し、音楽のクオリティにもこだわった。ターゲット層は10−20代の音楽好きな男女。広告宣伝も積極的に行ってヒットを目指す。

作曲でき、スピーカーにもなる“万能癒し犬”

 idogの可動部は耳と首。左右の耳が上下に、首は左右に動く。頭2カ所と鼻としっぽにスイッチを装備。足にはマイクも備えた。スイッチを押したり話しかけたりすると、顔のLEDを光らせながら首や耳を動かし、楽しい曲や悲しい曲など50種類の曲を奏でて喜怒哀楽を表現する。眠くなると癒し系の曲(70種類)を演奏。音楽はピコピコした電子音で、ファミコンのサウンドのようだ。

怒った状態。LEDは、真ん中が3色表示×1、その周りが2色表示×6。赤は「怒り」、青は「寂しさ」、緑は「落ち着き」を表す

 2小節のメロディ×25と感情表現用の曲などを組み合わせ、オリジナル曲を“作曲”する機能を備えた。曲の演奏中、おでこに装備した光センサーの上で手を動かすと、曲にアレンジが加わる「セッション機能」を搭載。コミュニケーションを深めるにつれ、奏でる音楽の種類が増えたり、曲調が変わる学習機能も装備した。音楽プロデュースには、SMAPやゴズペラーズ、MISIAなどを手がけたことで知られる清水信之さんを起用した。

 背中にスピーカーを装備。左足のライン端子から入力した音声を再生できる。再生中は、リズムに合わせてLEDを光らせ、耳と首を振る。ステレオミニ端子も装備し、ライン入力した音楽をヘッドフォンなどで楽しめる。

 電源は単4形乾電池×3本(別売り)。連続約3時間使用できる。サイズは116(幅)×107(高さ)×100(奥行き)ミリ。

梱包箱は立方体で、デザインはiPodの箱に似ている。
iPodを接続したデモ機も展示

専用ラジオ番組もスタート

 ヒットを目指し、広告宣伝を積極的に展開する。3月からidogプロモーション用ラジオ番組をオンエアするほか、idogイメージソングをday after tomorrowが歌い、同月発売予定のアルバムに収録する予定だ。

 国内販売数の目標は50万台。2000年に発売した犬型ロボット「プーチ」は世界57カ国で1700万台(うち国内は150万台)を売り上げたが、目指すはこれ以上のヒットだ。好調なら、音質を高めたモデルなど上位機種も発売する予定だ。

開発者で同社ファミリーエンターテインメント事業部の木全若菜さん。「プーチ」開発者の奥さんで「プーチを目標にして開発した」という

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