レビュー:フロントサラウンド特集
風変わりな外観から“直球サラウンド”――「NIRO 600」(1/3 ページ)
NIRO(ニロウ)というブランドは、初めて耳にしたという方もいるかもしれない。しかし、フロントサラウンドの製品では知る人ぞ知るという存在で、リファレンスモデルの「NIRO REFERENCE」をはじめとする幅広いラインアップを提供している。今回取り上げるのは、6~20畳程度の部屋で鳴らすのに適した出力を備えたという「NIRO 600」だ。
NIRO(社名はniro1.com)は直販を基本としており、オンラインストアでも購入できる。「NIRO 600」の直販価格は7万8000円。ほかに、6畳程度の部屋に適した「NIRO 400」(5万4000円)、30畳程度にまで対応可能な「NIRO 1.1 PROII」(9万8000円)もある。
これらの製品はすべて、サテライトスピーカーとサブウーファー、そして、アンプという3ユニットで構成されている。NIROのホームシアターサウンドシステムは、6chを前後3chずつに分け、各1ユニットにまとめた「NIRO TWO6.1」が出発点だが、現在では、設置やケーブル接続の面で、より手軽な3ユニット製品に重点を置いている。
一見“変化球”、実は“直球”のスタイル
「NIRO 600」のサテライトスピーカーには、5ch分のスピーカーを内蔵。センターこそ真正面だが、フロントL/Rはほとんど真横、しかも外向きに取り付けられ、サラウンドL/Rはその間に斜め向きに装着されている。ほかの多くのフロントサラウンド製品が、最低でもフロントL/Rは確保するのに対して、1ユニット+サブウーファーというのは、ともすると“変化球”的な構成に感じかねない。
しかし、いくつかフロントサラウンド製品を体験してきた現在では、逆にこの構成がまさしく“直球”のように感じた。これまでのレビュー製品の多くは、フロントサラウンド実現のためにいろいろ凝った(悪く言えば、回りくどい)ことをしていた。
だが、設置スペースや接続の手間という敷居を低くしつつ、センターやサラウンドがあたかも存在するかのように思い込ませるのがフロントサラウンドなら、5ch分のスピーカーをそのまま前面へ置けばいい。そして、最小限のスペースしか占有せず、接続も最も簡単になるのは、1ユニットというスタイルにほかならないだろう。
ただし、単に5ch分を1ユニットに収めたからといって、簡単にサラウンド音響が再現できるはずはない。NIROの製品を初めて知ったという人が、最も興味を抱く点はそこだろう。NIROのフロントサラウンドでは、フロント、センターの前方チャンネルに関しては基本的にはダイレクトに出力し、後方チャンネルに関してはバーチャルで発生させている。
ただし、バーチャルといっても、フロントチャンネルなどに重ねて負担をかけるのではなく、あくまでもサラウンド専用に用意した2基のスピーカーユニットで鳴らすのがミソといえる。実際に聴いて、これでサラウンド感が得られるのであれば、まさに理想的な手法といえなくはない。
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