さて、今回大きく変更されたのがメニュー。画面全体にメニューを表示し、十字キーで項目や内容を選ぶという手法になった。
MENU/OKボタンを押すと画面にメニューが表示され、項目を選んで「→」を押すとその内容にカーソルが映り、上下キーで選択という方法だ。一見、きれいに階層化されていて分かりやすいが、実際には左右のキーと上下のキーを何度も押す必要があり、煩雑になった面がある。従来の項目選択は左右キー、内容変更は上下キーとはっきり分かれていた方がシンプルだった気がする。旧FinePixユーザーは慣れるまでとまどうだろうし、キーを押す回数が増えたのを嘆くかもしれない。
さらなるポイントとしてはバッテリーの持ちをあげたい。1950mAhと大きなバッテリーを搭載したこともあって、CIPA規格で約500枚と撮影可能枚数がぐんと増えた。無理に薄型軽量に走らなかったと考えれば、納得できるスペックだ。
このF10、CCDが大きいためちょっとボディも分厚く小型軽量性を重視する人は躊躇するデザインかもしれないが、使ってみるとISO感度が自動で800まで(ナチュラルフォトモードでは1600まで)上がるのはすごく便利。特に室内でも夜でも構わずフラッシュなしで撮影したいという人には最高の仕様だ。
なにしろオートでISO800まで自動的に対応してくれるデジカメは他にはないのである。多少画質は落ちても、普段と同じ設定のまま暗いところでも撮れるのは素晴らしい。
基本的な画質も安定しているので、この高感度路線はどんどん進めて欲しいところである。
ただし新しいメニューには違和感を覚えるし、F10の機能やデザインにも不満はある。もっともF10がコンシューマ向けの作りになっていることから、今後、このCCDを搭載したマニュアル系コンパクト機(2004年でいうとFinePix F810やFinePix E550)の登場は十分に考えられるわけで、そちらで(わたしを含めて)もうワンランク上を求めるユーザーに対応してもらえればいいかなと思っている。
F10はF10で非常に実用性が高いフルオート系のコンパクト機なのだ。この気軽に使える高感度というだけで使ってみる価値はあろう。
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