では画質以外の話へといこう。
F10は1/1.7インチの630万画素とコンパクト機としては大きめのCCDを搭載していながら、ターゲットはかなりエントリー寄りで、フルオート中心の撮影機能とシンプルな操作系を持っている。
CCDが大きいこともあって、売れ筋の薄型軽量機に比べるとちょっと厚めだ。
正面から見ると極めてオーソドックスなデザイン。レンズの右上にストロボがあり、その下にAF補助光がある。光学ファインダーはない。
起動は高速で実測でも1.5秒以下。レンズは36〜108ミリ相当の3倍ズームでF2.8〜F5となっている。テレ側がちょっと暗いか。
撮影距離はノーマルで約60センチから、マクロモードにすると広角側で約7.5センチ、望遠側で約30センチまで寄れる。ノーマルで最短60センチはちょっと遠い、近距離のものを撮るときは頻繁にマクロモードにする必要があるだろう。残念である。
撮影モードはフルオートのAUTOとホワイトバランスのカスタム設定や露出補正が可能になるMモード、さらにシーンプログラムのSPモードと動画モードがある。再生モードはなくなり、独立した再生ボタンとなった。
SPモードはポートレートや風景など代表的なもの5つだけだが、注目は新しい「ナチュラルフォトモード」。フラッシュを発光禁止にし、ISO感度をオートで1600まで上げてくれるという、「ストロボなしでとことん暗いところまでつきあってあげます」モードだ。明るいところでは普通にISO80や100で撮れるし、暗いところへいくとギリギリまで感度を上げてくれる。こういう自分自身のウリを徹底的にアピールするモードはよい。
背面には2.5インチ液晶が大きく陣取っており、光学ファインダはない。撮影時はグリッド表示も可能で、シャッターを半押しにするとシャッタースピードと絞り値が表示されるのはよい。ズームレバーの下には親指をおくクボミがある。これはうれしい。操作系は円形十字キーと3つのボタンだけと極めてシンプルだ。十字キーの上はバックライトを強くするボタン。
液晶モニターは約11.5万画素と高解像度タイプでないのが残念だ。十字キーの上を押すとバックライトが強くなり、屋外での視認性があがる。
FinePixシリーズは以前からそうだが、液晶モニターに映る絵がすごくコントラストが高くて見やすい。その代わり、必要以上にメリハリがついて表示されるので、モニターで「黒ツブレしちゃった」と思っても、実際の画像はそんなことないケースが多い。モニター上の絵が鮮やかなので撮っていて楽しいが、実際に撮れた絵とコントラストのずれがあるので気になる人は注意した方がいい。
さて、今回大きく変更されたのがメニュー。画面全体にメニューを表示し、十字キーで項目や内容を選ぶという手法になった。
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